4月2日は世界自閉症啓発デー みんなで青い物と身につけよう!

発達障害

はじめに
 近年、日本でも発達障害について注目が集まるようになっています。自閉症(自閉症スペクトラム障害)は、そんな発達障害の一つです。

 そして、4月2日は、世界自閉症啓発デー。そこでここでは、そもそも自閉症とは何か、世界自閉症啓発デーで期待されていることなどを中心にまとめています。

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1. 世界自閉症啓発デーとは?

「図-世界自閉症啓発デーとは?」

(1) 世界的な啓発デー

 世界自閉症啓発デーは、2007年12月の国連総会でカタール王国王妃の提案により定められることが決まった、世界的な自閉症の啓発デーです。この総会では、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」(World Autism Awareness Day)とすることが決議され、全世界の人々に自閉症を理解してもらう取り組みが行われています。

 最も有名な世界的な取り組みは、世界各地のランドマークをブルーライトアップする取り組みです。この取り組みは、2010年から、自閉症支援団体Autism Speaksにより始められました。

(2) 日本では、4月2日から8日までが発達障害啓発週間

 日本でも世界自閉症啓発デー・日本実行委員会が組織され、自閉症をはじめとする発達障害について、広く啓発する活動が行われています。具体的な活動としては、毎年、世界自閉症啓発デーの4月2日から8日を発達障害啓発週間として、シンポジウムの開催等の活動が行われています。

 2019年は、以下のようなイベントが開催される予定です。

① 世界自閉症啓発デー2019・シンポジウム

日時:2019年4月6日(土) 10:00 ~16:30
会場:全社協・灘尾ホール(新霞が関ビル内)
東京都千代田区霞が関3-3-2 (定員250名)
テーマ:『輝く人・照らす人』
※事前申し込み要

② 東京タワーブルーイベント

日時:2019年4月2日(火) 13:00~18:30
会場:東京タワー広場・特設ステージ
東京都港区芝公園4丁目2-8
内容:13:00~17:00 各種イベント
18:15~18:30 厚生労働省主催啓発イベント
※当日、どなたでも、自由に参加可

③ SNSを利用した啓発活動

ハッシュタグ「#世界自閉症啓発デー」で、情報共有

この他にも、横浜市が、よこはまコスモワールドにある大観覧車「コスモクロック21」、日産スタジアムの2カ所でブルーライトアップを行うなど、全国各地でイベントが行われたり、ランドマークのブルーライトアップが行われたりする予定です。ブルーライトアップが行われるランドマークについては、以下から確認できます。

世界自閉症啓発デー 日本実行委員会<公式サイト>
世界自閉症啓発デー2019 ライトアップについて
http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/?action=common_download_main&upload_id=2700

(3) 4月2日当日は、青い物を身につけよう!
 4月2日の世界自閉症啓発デーに合わせて、4月6日に予定されている「世界自閉症啓発デー2019・シンポジウム」では、来場の際、「青い物を身につけて!」と呼びかけています。ブルーライトアップからもおわかりかと思いますが、テーマカラーが「青」なのです。

 みなさんもぜひ、4月2日の世界自閉症啓発デー当日、また、「世界自閉症啓発デー2019・シンポジウム」に参加される方は4月6日と、何らかの青い物を身につけて、当日を過ごしていただくと良いのではないかと思います。

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参考:
世界自閉症啓発デー 日本実行委員会<公式サイト>
http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/index.php?action=pages_view_main&page_id=166
世界自閉症啓発デー2019 ライトアップについて
http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/?action=common_download_main&upload_id=2700

横浜市自閉症児・者親の会/横浜市自閉症協会
世界自閉症啓発デーin横浜2019
http://yokohama-yamabiko.org/2019/03/02/世界自閉症啓発デーin横浜2019/

2. 自閉症、自閉症スペクトラム障害とは?

 世界自閉症啓発デーがあることはわかったとして、では、「自閉症とは?」何なのでしょう? このような機会に少しでも理解しようとすることが大切なのではないでしょうか? 

実は自閉症は近年、旧来型のとらえ方から、そのとらえ方が大きく変わってきています。そこで、旧来型のとらえ方と近年のとらえ方を比較しながら見ていきます。

(1) 自閉症の旧来のとらえ方

① DSM-4でのとらえ方

自閉症は、米国精神医学会が作成する「DSM(精神障害の診断と統計マニュアル)」という、疾患や障害を分類する手引の「旧版」にあたる「DSM-4」においては、次の3つの行動の特徴を併せ持つ症状と定義されていました。

<自閉症の旧来のとらえ方 ~ DSM-4での定義>
1)顔の表情などで相手の気持ちがわかるなど、非言語性行動における対人的相互作用の質的な障害がある
2)話し言葉の獲得の遅れや偏り、言葉づかいの奇妙さなど、意思伝達の質的問題がある
3)強いこだわりや固執行動・常同行動がある
(出典:DSM-Ⅳ-TR)

② 日本の省庁でのとらえ方

日本の行政におけるとらえ方も、この定義を参考にしているところがあるようです。たとえば文科省の定義は次のようになっています。

<文科省における自閉症の定義>
自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。
(出典:文科省ホームページ http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/004/008/001.htm

③ ICD-10での分類

医学的な診断では、「DSM」での分類方法以外にも、WHOが作成する「ICD10(国際疾病分類第10版)」での分類方法などが、国際的に用いられています。この分類において自閉症は、広汎性発達障害に位置づけられ、IQ70以上の高機能自閉症の場合は「アスペルガー症候群」、IQ70以下の場合は「カナー症候群」とされています。

(2) 自閉症から自閉症スペクトラム障害へ ~ DSM-5での変更

自閉症スペクトラム障害は、「DSM」の第5版として2013年に公開された「DSM-5」ではじめて設定され、診断名として用いられています。

先に見た通り、それまでの「DSM-4」での分類方法では、自閉症やアスペルガー症候群などは、それぞれの症状に違いがあり、診断基準も異なる独立した障害であると、とらえられてきました。

しかし、幼少期にアスペルガー症候群と診断された方が後年になって自閉症と診断される、脳科学の領域における研究でそれぞれの差異が認められない場合がある、症状の程度によって同じ診断名であっても生活に支障をきたす方もいればほとんど支障なく生活できる方もいるといったことが明らかになってきました。

そのような理解の深まりから、連続体として重なり合っている、症状には多様性があるという考え方である「自閉症スペクトラム障害」にまとめられたと、とらえられるでしょう。

(3) 「スペクトラム」という考え方

「図-スペクトラムのイメージ」

「スペクトラム」とは、「連続体」という意味で、上図のようなイメージでとらえるとわかりやすいのではないでしょうか。ひと言で言うなら、切れ目が不明確で、分けられない、あるいは、分けにくいという特徴があると言えるかもしれません。

つまり、「自閉症」+「スペクトラム」という言葉である「自閉症スペクトラム」とは、自閉的な特徴を持つ方は、知的障害や言語障害などの有無やその程度にかかわらず、自閉的な特徴を持つという点で支援が必要であり、また、自閉症やアスペルガー症候群などは連続している一つのグループであると考えることができるという、二つの意味合いから生まれた考え方・概念という見方ができるということです。

(4) 自閉症スペクトラム障害の方の数

自閉症スペクトラム障害の方の数は、約100人に1~2人いると報告されています。性別では男性に多く、女性の数倍にのぼるとされています。

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参考:
公益社団法人日本心理学会ホームページ
医学的見方から― ASD の診断基準
https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/67-5-8.pdf

文科省ホームページ
5 自閉症の理解と障害の状態の把握
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2014/06/13/1340247_13.pdf

厚労省 みんなのメンタルヘルス ホームページ
発達障害
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
日本大百科全書 
DSM
https://kotobank.jp/word/DSM-192156

3. 自閉症スペクトラム障害の一般的な特性 ~自閉的な特徴とは?

「図-自閉症スペクトラム障害の一般的な特性」

自閉症スペクトラム障害の典型的な特性、つまり、自閉的な特徴には、対人関係の障害・コミュニケーションの障害・興味や行動の偏りやこだわり、の3つがあるとされてきました。しかし、「DSM-5」では、対人関係の障害とコミュニケーションの障害とは、基本的には1つの特徴として、再構成されています。

ここでは、説明の便宜上、2つの大きな特性としてとらえつつ、そのうちの対人関係とコミュニケーションの障害については、それを分けて、見ていくことにします。

(1) 対人関係とコミュニケーションの障害

① (相互的な)対人関係の障害

社会で常識とされるようなこと、や、暗黙のルールといったものに無頓着であるという特性です。

この特性により、その場の空気や相手の様子などを読むことができない、周囲に配慮しながら行動することができない、あいさつや礼儀をわきまえない、間違っていても謝らないといった行動に結びつきがちです。

そのため、ご本人には全く悪気はないのに、「非常識」「自己中心的」と見られやすくなり、他人の怒りをかってしまうことにつながる場合が多くあると言われています。

一方でこの特性は、周囲に関係なく自由な発想ができる、孤立してもやり続けられる・やり遂げられる、周囲の感情に惑わされないといった、長所となることでもあります。

② コミュニケーションの障害

自分の興味のあることや、頭に浮かぶことを次々話すといった特性です。

この特性は、相手に興味があるかないかに関わらず話し続ける、相手の話はまったく聞かず一方通行で話す、相手が話している途中で他のことを始めるといった行動に結びつきがちとされています。

また、仲間と一緒に何かをやるといった場面で他人の言うことはまったく聞かなかったり、休憩時間と勉強時間などの切り替えができずに話し続けたりといった問題を起こす場合もあるようです。

一方でそれは、印象に残ったことを率直に話せる、独特の言い回しなどが面白い、あることについてとことん話を続けられるといった長所にもなること、と考えられます。

(2) 興味や行動の偏り・こだわり(パターン化した興味や活動)

 決められた手順や一度決めたルールなどに徹底してこだわるという特性です。

 このため、突然のスケジュール変更や中止、ルールの変更、などを極端に嫌がり、時にパニック状態になったりする場合もあると言われています。これは、次に何が起こるか、どんなことが起きる可能性があるかといった想像力を働かせることがニガテであることが原因と考えられます。

また、例外を認めなかったり、他人の誤りを許さなかったり、といったことも、同じ特性が原因であらわれがちのようです。

ただこの特性は、物事に真剣に取り組む、単純作業などを嫌がらずに続けられる、規則正しく生活できる、記憶力が高いなどの長所となってあらわれるとも言えるのです。

参考:
公益社団法人日本心理学会ホームページ
医学的見方から― ASD の診断基準
https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/67-5-8.pdf

厚労省ホームページ
発達障害の理解のために
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/17.html

内閣府 ホームページ
自閉症・発達障害の理解と対応
http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/soudan/04/s6.pdf

国立精神・神経医療研究センター ホームページ
http://www.ncnp.go.jp/

4. 自閉症スペクトラム障害のある方を支援するにあたって ~支援にあたって大切なこと
(1) 特性の良い面を見る

 既に自閉症スペクトラム障害の一般的な特性を見てきました。そしてその特性は、悪い面として見ることもできますが、良い点として見ることもできることも確認しました。つまり、もっとも重要なことは、「特性を、良い面から見ること」であり、それは「できるはずだ」と考えられることです。

 もちろん、自閉症スペクトラム障害のある方が、何らかの問題を起こしたのであれば、「問題を起こしたこと事自体」は指導する必要があります。ただそれは、問題を起こしたことに対する指導にすぎません。問題を起こしたから指導される。ただそれだけのこと、であり、決して、自閉的特徴の否定ではないということです。

また自閉的特徴は、自閉症スペクトラム障害ではある程度共通で見られるものの、その程度は一人ひとり、異なるもの。だとしたら、自閉的特徴を問題視したところで、課題は何も解決しないと考えられるわけです。

(2) 診断名にとらわれない ~基本的な支援の在り方

次に重要なのは、「自閉症スペクトラム障害という診断名にとらわれないこと」です。

自閉症スペクトラム障害の症状のあらわれ方は、年齢によって変わると考えられています。つまり、発達に伴い、支援に対するニーズも変わっていくことが想像できるのです。ただ、この時期にこのような発達上の変化が起きるとは一概に言うこともできないとされています。

また自閉症スペクトラム障害特有の症状が軽減した場合でも、それはご本人に我慢を強いているだけ、というケースもあるようです。そのような場合は、「我慢に対するストレス」などにより、別の症状が生じる可能性もあると言われているのです。

このような理由から、発達段階を通じて、自閉症スペクトラム障害の症状のあらわれ方だけでなく、生活全般に渡る行動に目を配り続けることが最も望ましい支援の在り方と考えられています。

ただこれは、障害の有無に拠らない支援の在り方、でしょう。発達段階というものは一人ひとりバラツキがありますし、得意・不得意、特性なども異なります。ただ、自閉症スペクトラム障害であることがわかっているが故の注意の視点があると、とらえることができるのではないでしょうか。

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参考:
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター ホームページ
ライフステージに応じた自閉症スペクトラム者に対する支援のための手引き
https://www.ncnp.go.jp/nimh/jidou/research/tebiki.pdf

文科省ホームページ
発達障害者支援法の施行について
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/06050816.htm

最後に

4月2日は、世界自閉症啓発デーです。また、2日からの1週間は、日本では、発達障害啓発週間に設定されており、全国各地でシンポジウムや、さまざまなイベントなどが開かれます。中でも一大イベントとも言えるのが、ランドマークのブルーライトアップです。

「『自閉症の人々は、多くの人々の目には変わった行動に映るかもしれません。(しかし)自閉症の人々の行動の意味を考え、「よい点」を見つけるようにして頂くと、自閉症の人々は社会の中で生き生きと暮らすことができる』『どうすればよいのか、正しい方法をできるだけ具体的に教えることを基本に、穏やかに根気よく接して、良い関係を作るようにしてください』」

これは、世界自閉症啓発デー 日本実行委員会<公式サイト>に掲載されている言葉です。「自閉症」の文字を隠してしまえば、誰にでもあてはまることではないでしょうか? 

「ただ、その特性をほんの少し理解して接すること。」これが、筆者には、自閉症のある方々からのメッセージだと感じられます。「ほんの少し理解する」を実際に行動に起こすという意味で、4月2日、世界自閉症啓発デーは、みんなで「青い物を身につける」活動に、参加してみると良いのではないかと思います。

なお、この記事に関連するおススメのサイトは下記の通りとなります。参考までご確認ください。

参考:
内閣府
自閉症・発達障害の理解と対応
http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/soudan/04/s6.pdf

厚労省
発達障害
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
発達障害の理解のために
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/17.html

文科省
5 自閉症の理解と障害の状態の把握
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2014/06/13/1340247_13.pdf
発達障害者支援法の施行について
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/06050816.htm

国立精神・神経医療研究センター
http://www.ncnp.go.jp/

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
ライフステージに応じた自閉症スペクトラム者に対する支援のための手引き
https://www.ncnp.go.jp/nimh/jidou/research/tebiki.pdf

公益社団法人日本心理学会ホームページ
医学的見方から― ASD の診断基準
https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/67-5-8.pdf

公益社団法人日本心理学会ホームページ
医学的見方から― ASD の診断基準
https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/67-5-8.pdf

世界自閉症啓発デー 日本実行委員会<公式サイト>
http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/index.php?action=pages_view_main&page_id=166
世界自閉症啓発デー2019 ライトアップについて
http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/?action=common_download_main&upload_id=2700

横浜市自閉症児・者親の会/横浜市自閉症協会
世界自閉症啓発デーin横浜2019
http://yokohama-yamabiko.org/2019/03/02/世界自閉症啓発デーin横浜2019/

日本大百科全書 
DSM
https://kotobank.jp/word/DSM-192156

加藤 雅士

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電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構にて広報委員を担当する。現在、株式会社グリットの代表取締役会長としても活動を行っている。

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