高齢者住宅の種類と選び方及び高齢者住宅のサービスの違い
はじめに
高齢者住宅の選び方と高齢者住宅のサービスの違いについて。高齢のご家族がいらっしゃる方にとって、そのご家族の方にどこで生活してもらうかは、非常に大きな問題でしょう。認知症を含む介護の必要のあるご家族がいらっしゃる場合であればなおさらのことです。また、仮に今はお元気であっても、病気や認知症を患う可能性は誰にでもあることです。
ここでは、高齢者の住まい選び方や、高齢者住宅の種類や高齢者向け住宅サービスにどのようなものがあるのか、その違いや特徴はどういったものがあるのかを、介護保険サービスとの関係も交えながらまとめています。
1. 高齢の方の住まいを検討する ~ まずは将来に渡ってご自宅に住み続けるか、住み替えるかを始点に
2. 高齢者住宅サービスサービスの大まかな分類と選び方
3. 高齢者住宅サービスサービスと大まかな特徴
最後に
1. 高齢の方の住まいを検討する ~ まずは将来に渡ってご自宅に住み続けるか、住み替えるかを始点に
人は必ず老い、また、死に去るという現実があります。ある日突然亡くなる場合もありますが、多くの場合、その過程では、必ずしも、それまでできていたことができなくなったり、病気になったり、介護が必要になったりします。
しかし、核家族化の進行、労働者の都市への集中などもあり、以前のように「いつかは子どもが面倒をみる」というような考えが当たり前ではなくなりました。
よって、今の時点での状況に関係なく、自分やご家族の方に適している住まいはどういったものなのか考えた上で、ご自宅に住み続けるのか、あるいは、将来的には各種サービスが受けられる高齢者向け住宅サービスへの入居をするのか、判断する必要があると言えます。
将来的にもご自宅に住み続けたいということであれば、最低限、次の視点での準備が必要でしょう。
トイレの手すり等の必要な設備や、それを取りつけるスペース等の検討が必要です。
近隣で利用できる在宅介護サービス等を調べておくことが大切です。また、支援いただけるご家族や、助け合える近隣の方との人間関係も重要になります。
住み替えを検討される場合、どのような高齢の方向け住宅サービスがあるのか、まずは調べることから始める必要があると言えるでしょう。
高齢の方向けの住宅サービスは複数あります。しかし利用できる住宅サービスは、要介護認定を受けているかどうか、また要介護認定を受けている場合は、その程度がどの程度かによって異なります。
要介護認定を受けている場合、介護保険サービスの適用受けながら、対応する支援サービスを提供する住宅サービスが利用できます。
一方、要介護認定を受けていない場合や要介護認定で「自立」とされた場合は介護保険サービスを利用することはできませんが、自立した生活の維持および要介護状態になることを予防する福祉・保健のサービスなどを利用した高齢の方向け住宅サービスを検討することができるようになっています。
要介護認定とは、介護保険サービスの利用を希望する方に対して、「どのような介護支援が、どの程度必要か」を判定するためのしくみです。介護保険サービスは、 65歳以上になればサービスを受ける資格を持つことになります(認知症の場合、40歳以上)。
一方で、このサービスは資格を持てば誰でも受けられるというものではありません。介護保険制度は、加齢に伴う生活上の困難や認知症を患うことによる困難に対して、必要な支援を受けられるよう仕組み化されたもの。
つまり、ご自身の力で日常生活をおくることができる場合、介護保険サービスの適用対象外ということです。
こういったことから、介護保険サービスを利用して住まいを考える場合、まず要介護認定により、「要介護」または「要支援」と認定される必要があるのです。これは、40~64歳の若年性認知症の方も同じです。
要介護認定制度により認定されることになる「要介護度」は、大きく2つ、さらに、その中がそれぞれ2つ、5つの合計7つに分かれています(対象外の「自立」を含めると8段階)。認定後の区分となる「要介護度」と、要介護認定の基準(要介護認定等基準時間+認知症の度合いから必要となる支援時間)、受けられる支援(サービス内容、と、サービス利用が可能な上限月額を示す「区分支給限度基準額」)との関係は、以下のようにまとめることができます。
※目安となる金額は、要介護度ごとに付与された単位に対し、1単位あたり10円として換算したものです
【関連記事】
要介護認定制度 認知症の方を支援する介護保険サービス
https://jlsa-net.jp/kn/ninchi-kaigohoken/
参考:
厚労省ホームページ
消費者向けガイドブック
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038005_1.pdf
介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038005_1.pdf
介護保険制度の概要
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/index.html
要介護認定
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/nintei/index.html
認知症高齢者の日常生活自立度
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002iau1-att/2r9852000002iavi.pdf
東京都福祉保健局
あんしん なっとく 高齢者向け住宅の選び方
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/koho/sumai_sasshi.html
2. 高齢者住宅サービスサービスの大まかな分類と選び方
「図-住宅系と施設系との違い」
高齢の方向け住宅サービスは、大きくは施設系か住宅系かに分類できます。生活全体を管理されながら食事や介護サービスを受けられるのが「施設系」で、食事や外出など出来るだけこれまでどおりの生活を送りながらも必要なケアサービスが受けられるのが「住宅系」ととらえるとわかりやすいでしょう。
このため、一般的には以下のような特徴がそれぞれ見られます。
施設系は、住まいと生活におけるさまざまなサービスが一体となって提供されるのが特徴です。居室の広さが16~18m²程度で、簡易な洗面とトイレだけが付いているケースが多く、食事やお風呂は共用のものを決められた時間に利用するようになるのが一般的です。
住宅系の基本は、高齢の方への居住スペースの提供です。それぞれの居室にキッチン・バス・トイレなどの設備があり、共用部として希望に合わせて利用できる食堂などを備えているものが多くなっています。
よって、その他のサービスはオプションサービスとして別契約で提供されることになります。また、住宅サービスごとにオプションサービスは異なると言えますので、入居前に必要なサービスを検討することが大切になると言えます。
また、要介護度によっては、必要なサービスが提供できない場合があるため、再度住み替えが必要になる場合もあるという点は注意が必要でしょう。
「図-高齢の方向け住宅施設の大まかな分類」
高齢の方向けの住宅サービスを「経済的な負担の大きさ」と「支援の必要性」の2つの視点からみると、大きくは上の図のように分類することができます。ただし、後ほど詳しく見るように、各住宅サービスにはさまざまな特徴があります。特に民間のものは、サービスの違い自体が特徴であるとも言えることを押さえておく必要があるでしょう。
つまり、ご本人やそのご家族の方が何を求めているのかを明確にすることが重要になるということです。
通常は、住まいと食事や生活支援サービスが一体となっています。介護保険サービスは、別の枠組みとなる介護保険の中で、同じ事業者から提供される場合が多いようです。
「安否確認」と「生活相談」の提供が必須とされているのがこのタイプです。逆に言えば、食事の提供などといったそれ以外の生活サービスを提供しているかは、住宅サービスごとに異なると言えます。なお介護保険サービスは、住宅サービスを提供する事業者とは別の事業者などと契約を結ぶことで提供されることになります。
高齢の方に配慮された住宅に、比較的低額で生活できるのがこのタイプのサービスです。介護保険サービスは提供されていない場合もあるため、介護支援が必要になると再度住み替えが必要になる場合もあります。
住まいと介護保険サービスが一体で提供されるのがこのタイプです。ただし、待機者が多く、また、複数人が同じ居室で生活するようなものも多くなっています。
上記の住宅系と施設系、更に経済的な負担や支援の必要性から、実態に合わせた選び方が重要になります。
参考:
厚労省ホームページ
消費者向けガイドブック
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038005_1.pdf
介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038005_1.pdf
高齢者向け住まいについて
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000048000.pdf
国土交通省
サービス付き高齢者向け住宅
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000005.html
東京都福祉保健局
あんしん なっとく 高齢者向け住宅の選び方
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/koho/sumai_sasshi.html
富山福祉短期大学ホームページ
「サービス付き高齢者向け住宅」の意義と課題
http://www.t-fukushi.urayama.ac.jp/visitor/kiyou/pdf/kiyou-07-02-2.pdf
一般財団法人 サービス付き高齢者向け住宅協会
「-高齢者向け住まいを選ぶ前に- 消費者向けガイドブック」発行のお知らせ
https://kosenchin.jp/news.aspx?listno=124
一般財団法人 高齢者住宅財団
家賃債務保証
http://www.koujuuzai.or.jp/service/rent_guarantees/
3. 高齢者住宅サービスと大まかな特徴
1) サービス付き高齢者向け住宅
高齢の方の安心を支えるサービスを提供するバリアフリー構造の住宅で、安否確認や生活相談が必須サービスとなっている住宅です。その他のサービスは、住宅サービス提供事業者ごとに異なる面があります。
2) 高齢者専用賃貸住宅(シルバーハウジング事業に基づく住宅サービス提供)
緊急時対応等のサービスがあり、収入に応じた家賃が適用されるバリアフリー構造の公的賃貸住宅のことを言い、シルバーハウジング事業に基づき住宅サービスが提供されています。
東京都が実施しているシルバーハウジング事業に基づく住宅提供サービスはシルバーピアと呼ばれていますが、同様のサービスが各知自体で整備されている場合がありますので、お住まいの地域の窓口に問い合わせてみるとよいでしょう。
1) ケアハウス
ご本人の収入に応じて比較的低額な費用を負担しながら、基本的な生活支援サービスを受けられる住宅サービスです。基本的には自立した生活を送ることができることが前提となっている住まいです。
2) 有料老人ホーム
・介護付有料老人ホーム
介護保険法に基づく「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームのことです。生活支援の他、介護保険サービスが同じ施設スタッフから提供されることになります。
・住宅型有料老人ホーム
食事等の生活支援サービスが付いた有料老人ホームです。介護保険サービスは別の契約となっており、外部の介護サービスを利用することになります。
・健康型有料老人ホーム
食事等の生活支援サービスが付いた有料老人ホームで、介護保険サービスは原則提供されません。このため、介護が必要になると原則退去しなければならないという特徴があります。
3) 特別養護老人ホーム
要介護認定により、要介護1以上の認定を受けた方が対象の介護保険施設です。生活支援の他、介護保険サービスが提供されます。
4) 老人保健施設
要介護認定により、要介護1 以上の認定を受けた方が対象の介護保険施設です。病院と自宅の中間施設のような位置づけとなっているため、生活支援の他、介護・看護・リハビリが受けられる施設です。
5) 認知症高齢者グループホーム
要介護1(一部要支援2)以上の認知症のある方が対象となる住宅サービスです。9 人が1単位となっており、家庭的な共同生活をおくる住まいと言えます。
上記で紹介した高齢の方向け住宅サービスの大まかな特徴を比較すると、次のようになります。
「主な高齢の方向け住宅サービスと大まかな特徴」
※認知症の受け入れ:軽度までなら可能な場合△としています
※看取り:施設により可能な場合△としています
※入居待ち目安:短い傾向の場合○、長い傾向の場合×、長い場合がある場合△、としています
※経済的負担:相対的な比較で低・中・高、としています
参考:
厚労省ホームページ
消費者向けガイドブック
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038005_1.pdf
介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038005_1.pdf
高齢者向け住まいについて
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000048000.pdf
国土交通省
サービス付き高齢者向け住宅
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000005.html
東京都福祉保健局
あんしん なっとく 高齢者向け住宅の選び方
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/koho/sumai_sasshi.html
富山福祉短期大学ホームページ
「サービス付き高齢者向け住宅」の意義と課題
http://www.t-fukushi.urayama.ac.jp/visitor/kiyou/pdf/kiyou-07-02-2.pdf
一般財団法人 サービス付き高齢者向け住宅協会
「-高齢者向け住まいを選ぶ前に- 消費者向けガイドブック」発行のお知らせ
https://kosenchin.jp/news.aspx?listno=124
一般財団法人 高齢者住宅財団
家賃債務保証
http://www.koujuuzai.or.jp/service/rent_guarantees/
最後に
高齢の方向けの住宅サービスは複数あり、また、その種類は多岐に渡っています。特に民間事業者が提供するサービスは、サービスの違い自体を特徴としている面もあるため、利用者にとってはわかりにくい面があるのも事実です。利用し始めたはいいものの、想定以上の費用がかかるケースがあるのは、サービス範囲の誤解が原因となっている場合もあります。
一般的な分類により大まかなサービス内容を押さえつつ、実際に必要とするサービスは何かをしっかりと検討したうえで選択することが大切になると言えるでしょう。
なお、この記事に関連するおススメのサイトは下記の通りとなります。参考までご確認ください。
参考:
厚労省ホームページ
消費者向けガイドブック
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038005_1.pdf
介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000038005_1.pdf
高齢者向け住まいについて
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000048000.pdf
介護保険制度の概要
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/gaiyo/index.html
要介護認定
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/nintei/index.html
認知症高齢者の日常生活自立度
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002iau1-att/2r9852000002iavi.pdf
国土交通省
サービス付き高齢者向け住宅
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000005.html
東京都福祉保健局
あんしん なっとく 高齢者向け住宅の選び方
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kourei/koho/sumai_sasshi.html
富山福祉短期大学ホームページ
「サービス付き高齢者向け住宅」の意義と課題
http://www.t-fukushi.urayama.ac.jp/visitor/kiyou/pdf/kiyou-07-02-2.pdf
一般財団法人 サービス付き高齢者向け住宅協会
「-高齢者向け住まいを選ぶ前に- 消費者向けガイドブック」発行のお知らせ
https://kosenchin.jp/news.aspx?listno=124
一般財団法人 高齢者住宅財団
家賃債務保証 http://www.koujuuzai.or.jp/service/rent_guarantees/
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