坂戸市社会福祉協議会 後見実施機関設置・運営プロジェクト 第7回

成年後見制度

閲覧頂き、ありがとうございます。一般社団法人 全国地域生活支援機構(以下、JLSA【ジルサ】)で広報委員を務め、JLSAサイトで電子福祉マガジンの編集長をしている加藤です。

JLSAでは、公益社団法人 日本財団様(東京都港区 会長 笹川陽平)からのご支援を頂き、本年(平成30年)4月より社会福祉法人 坂戸市社会福祉協議会(以下、坂戸市社協)様が法人後見を受任できる体制づくりと後見実施機関の設置・運営に向けたご支援を開始しております。

今回のプロジェクトが、各自治体・地域で行われる後見の取組みにお役に立てればと思い、本プロジェクトの内容をアップしていきます。是非、ご参考頂ければと思います。

今回は、5月22日(13:30~15:00)に行ったミーティングの実施内容をお伝えします。

では、今回の記事の内容です。

1.ヒアリングシートの回収状況について
2.後見ニーズ調査の今後の方針について
3.個別相談の状況について
4.後見相談シートについて
5.体制整備について
6.規程類の整備について
7.その他

参加メンバー
坂戸市社協様:谷津様、土井丸様、関口様
JLSA:金原、尾川


1.ヒアリングシートの回収状況について

 本日のミーティングでは、帯同ヒアリングシートの回収状況の確認に始まり、帯同訪問や個別相談を希望しないケースの取り扱いについて討議を行いました。

前回(5月8日)の定例以後、2件のシートの提出がありました(合計で8~9枚のシート回収)。うち、1枚は、個別相談希望のケースであり、5/28(月)11時に、ご自宅を訪問することになりました(JLSA金原・坂戸市社協三浦様)。

2.後見ニーズ調査の今後の方針について

 前回のミーティングの議題に上がっていた「ヒアリングシート記入時の調査担当者による能力判定の正確性を担保する」ため、JLSAの帯同訪問を予定しておりましたが、回収状況を鑑み、実施が困難であることを相互確認しました。

 代表の金原からは、個別相談を行った3件のヒアリングシートの能力判定は正確であり、特段修正すべき点は見られなかったとのことが報告されました。

また、個別相談希望先については、5月から前倒しで、JLSA帯同による個別相談を行っていますが、個別相談を希望しない先についての取り扱いをどうするかについてディスカッションを行いました。合わせて、帯同訪問・個別相談未実施先への対応についてもディスカッションしました。

現状では、調査担当者であるケアマネージャー様も多忙かつ、調査への対応ぶり等を見る限り、個別にシートの書き方についてレクチャーをする余裕はないと思われること、また今年度のニーズ調査は、質の観点、特に後見ニーズの発見から申立、受任につなげていくことが最も重要であることから、未実施先については、能力判定は記入通りに集計することを確認しました。

 さらに、シートの提出期限について、期限を延長しても回収率が大幅にアップするとは考えにくいこと、6月の以降の活動に影響も出ることから、提出期限は厳守することにしました。その代わり、今週中に、提出の督促を兼ねて、社協から31日の提出状況の確認を行う電話をすることとしました。

 なお、ニーズ調査は、今年度で終わるわけではなく、定期的に行っていくことが望ましいことから、今後も後見ニーズの発見に伴い、ヒアリングシートの提出については、随時受け付けることにしました。

 合わせて、回収したヒアリングシートの分析結果から、調査担当者のケアマネージャー様に伝えたい情報については、ニーズ調査報告会において、JLSAからまとめて伝えることとしました(7月の報告会については、月次のケアマネ部会等を活用する)。

3.個別相談の状況について

 昨日までで3件個別相談を行った結果について、代表の金原から状況説明を行いました。いずれも後見事案相当であるが、うち2件は家族まるごと支援の必要があること、21日訪問事案については、後見の必要性は認められるものの、当面は日常生活自立支援事業への誘導で対応を図ることなどを説明しました。

 社協様から、家族全員の申し立ては、一度に行うのかどうか質問がありましたが、家庭裁判所の坂戸市社協に対する信頼度がまだ十分とは言えない現状を踏まえ、1件ずつ受任申立を行うのがベターであるとアドバイスを行いました(イメージとしては、初回報告が済んだら、次の申し立て準備を始める)。

 なお、金原からは、3件とも、家族からの申し立てを期待することは難しい、原則本人申立しかない旨の説明も合わせて行いました。

社協様からは、ケアマネ等、現場担当者は、どうしても目の前にある事象への対応が優先される傾向があるため、発見が遅れやすくなることも十分に考えられる(例えば、お金が下せない→家賃支払いの滞納→オーナーからの退去の要請などによって、トラブル・問題として認識される)ことから、今後の課題である旨が話されました。

4.後見相談シート

 後見相談シートは、前回の定例での修正箇所を踏まえ、最終確定版となりました。

5.体制整備について

現在実施している個別相談の中には、後見支援員だけでは対応が難しいと懸念される事案があり、別紙のとおり、社協様内部の機能として、アドバイザー・専門員の設置を検討するべきではないかと金原から提案しました。

非常勤でも構わないが、日常的なサポートを必要とするため、内部に適任者がいるのであれば、内部の人員を充てるほうが家庭裁判所への印象も良いことや、社会福祉士や精神保健福祉士等の資格の有無よりも、実務経験豊富な人材を確保するなどの意見を述べました。

社協様の人件費負担も発生するため、直ちに決定できないが、検討を行っていくことが確認されました。

また、社協様から、あんサポの生活支援員は、現状一人で対応しているが、できる限り複数人員での対応が望ましいと考えているとのこと。

後見支援員についても、できる限り複数の担当者(支援員2名、社協担当者+支援員、支援員+専門員など)を配置することなどによって、支援員の負担や責任を軽減していくことが望ましい、市民後見NPOなどでは、そのような対応を取っているとの説明がありました。

6.規程の整備

 規程の整備については、定款・要綱・委員会規程は6月の理事会(6/12、評議委員会は6/28)、その他の規程は8月の理事会に諮る方向で準備を進めることを確認しました。

社協様から、家庭裁判所による規程の確認において、規程はすべて理事会の承認を必要としているのかとの質問がありましたが、家庭裁判所は、規程等の有無は確認するが、決裁レベルまでは問わない旨の回答を行いました。

次に、社協様から、川越市社協は、法人後見実施前に、家庭裁判所と事前協議を行ったとの情報を得たとのこと。よって、今後、家庭裁判所への表敬訪問時に、体制整備(組織や規程)について説明を行うことが話されました。

また、受任後の財産管理については、規程・ルールの整備が必要になることも合わせて説明しました。例えば、申立時は在宅であっても、施設入所時には空き家が発生することがある。坂戸市では、空き家管理条例が定められており、条例に沿った管理が求められるとのお話がありました。

なお、財産管理にあたっては、相当の事務費用もかかることもあり、低報酬の場合には事務費用を出せないケースも出てくることから、後見基金を作っている県内の社協もあるとのお話がありました。

7.その他

次回は、6/5(火)10時00分に開催予定。ヒアリングシートの回収状況の確認と個別相談の日程調整等を行うこととしました。

皆さんからのご意見・ご質問も合わせてお待ちしております!
今号は以上となります。

プロジェクトキックオフをご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/interview/sakado-hkokenpj1/

第1回のミーティング(プロジェクト概要とニーズ調査)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/interview/skd-hkoken1/

第2回のミーティング(ニーズ調査説明会への準備)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken2/

第3回のミーティング(ニーズ調査説明会の最終確認と体制整備)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken3/

第4回のミーティング(ニーズ調査説明会の実施と振り返りミーティング)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken4/

第5回のミーティング(ヒアリングシートの回答内容確認と体制整備と規程の方向性の確認)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken5/

第6回のミーティング(ヒアリングシートの回答内容確認と体制整備と規程づくり)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken6/

第8回のミーティング(ヒアリングシートの回答内容確認と体制整備と規程づくり、事業収支計画書の策定、法人後見推進に関する会議体)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken8/

加藤 雅士

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電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構 代表理事として広報を担当する。現在、株式会社目標管理トレーニングの代表取締役としても活動を行っ...

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