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横浜市議会議員 横山先生に聞く「横浜市の障害者就労の現状と都市型農福連携事業」について

障害者就労

都市型農業にチャレンジする「青葉ファームランド」の挑戦シリーズの第5部をお知らせします。

第1部は、都市型農業にチャレンジする就労継続支援B型施設「青葉ファームランド」様の設立のキッカケや苦労話。
第2部では、なぜ、シイタケ栽培を選ばれたのか?
第3部では、どのようにしてシイタケ栽培がされているのか、大手企業がなぜシイタケ栽培に参入しづらいのかなど、その現場をレポートしました。
第4部では、乾燥野菜づくりの現場レポートと三堀さんがこれから目指すところについてレポートしました。

第5部では、横浜市議会議員で、横浜市会議長でもある横山先生に聞いた「横浜市の都市農業のこれから」をお伝えします。

横浜市議会議員 横山先生に聞く「横浜市の障害者就労の現状と都市型農福連携事業」

1.横山先生が三堀さんを支援するキッカケは?

加藤
この度は、お忙しい中、三堀さんの取材に同行頂きまして、ありがとうございます。

横山
いえいえ。加藤さん達が、障害者就労に取り組んでいる中で、取材先を探しているということだったので、三堀さんを推薦させてもらいました。三堀さん、なかなか良い方でしょ?(笑)。

加藤
はい、とてもすごい方です(笑)。
さて、先生には、まず、三堀さんとの関わりを教えてもらえますか?

横山
実は、三堀さんのお父さんは、ずっと私を応援してくれているんです(この時点で、横山先生は横浜市議6期当選で、2019年4月の統一地方選で7期目にも見事当選。そして第50代の横浜市会議長にもなられました。)

(画面右奥が三堀さんのお父様です)

横山先生のホームページはこちらから

そんなお父さんから、「今度、息子が帰ってくるんだけども」っていう相談を受けまして、それでお話をうかがったのがキッカケでした。

当時、三堀さんが障害者就労の施設を立ち上げるのに相当苦労しているお話を聴きましてね。そこで、役所と交渉する際に、きちんと法律の趣旨を理解した上で、役所の担当と対峙することの重要性などをアドバイスしました。合わせて、実際に立ち上げるまでの協力もして参りました。

2.農地にどうやってシイタケ栽培の施設を建てることができたのでしょうか?

加藤:
なるほど。
では、具体的には、どんなアドバイスをされたのでしょうか?

横山:
多くの方は、役所と交渉される場合、色々な壁にぶつかると思います。ただ、役所は、「ルール」に基づいて手続きを進めることが仕事です。

ですから、役所が認めやすいようなやり方を行う必要があるわけです。

三堀さんからは、「こういうことをやりたい!」という思いがあったので、そのためにはこういう手続きや書類を整えていかなければならない、などのアドバイスしながら支援致しました。

ただ、三堀さんの農地の上に建物を建て、シイタケを栽培するという取り組みには様々なハードルがありました。根本的な問題は、農地は農業をやるための土地であるということなんです。

つまり、今の新しい農業のスタイル自体を、想定してないわけです。
たとえば、食物工場だとか、野菜工場のような形を、今の農地では想定していないのです。

だから、三堀さんの取組を含めて、今、新しい農業をやろうとしても、制度が実態に追いついていないのが現状なんです。

だから、そのためには「制度に合わせた形で徐々に進んでいかないとできない」とアドバイスしました。

ただ、三堀さんが、このような形で成功していることは、横浜市の都市農業にとってはものすごくプラスで先進的な事例になりました。これから、横浜市の農地や農業政策の仕組みを変えていくキッカケになると思っています。

加藤:
僕、まだ不勉強なのですが、通常の農地では、建物を建てられないはずですが、青葉ファームランドさんは、なぜ建てることができたのでしょうか?

三堀:
ここは私から(笑)。
まず、今回建てられたのは、以下の3つの条件がクリアできたからなんです。横山先生のアドバイスでもあります。

1.ビニールハウスであること
2.基礎を打たないこと
3.高さ制限を守ること

ここが重要なポイントです。なぜ、この条件が重要なのかということです。
実は、ここ(横浜市青葉区)鉄町(くろがねちょう)と戸塚区では、過去に農地の違法運用が横行していました。

そこで、役所も、農地に建物を建てるとなると、許可を出しにくい。「何を、建てるの」という形でかなり疑心暗鬼になります。「いや、純粋に農業をやりたいんですよ」と言っても、

「ここの土地に、何を建てるんですか」、見積書や構造物を示しても、「それでは、駄目だ」などと。すったもんだがたくさんありました(苦笑)。

結局のところ、先の「3つの条件を守る」ということで、
純粋なビニールハウスとして、基礎も打たず、高さも5m以内に収めて、このような施設運営が可能になりました。

加藤:
なるほど、そういう条件のもと、このような形になったんですね(笑)。

三堀:
はい。それから、ご覧の通り、ここは民家に囲まれている土地です。これから、畑をやるにしても肥料を蒔くとなる臭いの問題とかが出てきます。あとは、もう時代背景として、農地での野菜をつくること自体が難しくなってきています。

ですので、ハウスで何かできないか?というのが1つのきっかけでしたので、それを横山先生にお手伝いしてもらって、シイタケを栽培・販売することを決めました。

ちなみに、当時は、仮にシイタケが、生産性等で問題がある場合には、このハウス中で水耕栽培をできるようにしようと思い、温度管理もできるように設計しました。

加藤
リスク管理もさすがですね(笑)。
横山先生、次に、横浜の農福連携事業について、横浜市のスタンスや先生のお考えを聴かせて頂けないでしょうか?

3.横浜の今後の農福連携事業について教えてください

横山
農福連携は、今、色々なところで言われています。ただ、都市農業と、その他日本全国の農業とでは、やっぱり違いがあります。都市農業の場合は、限られた耕作地があって、かつ、その周りには地価の高い住宅地が張り付いています。だから色んな意味で非常にやりづらいわけです。

特に横浜市のように、農業に対して非常に厳しい姿勢を取っていると、新しいことがやりづらいん状況にあります。

なので、今後は農福連携の柱を立ち上げていきます。農福連携というよりも、都市農福連携をしっかりと構築していくことが重要です。たとえば、この農地の中に事務所を設けることができるようにするとかです。

あるいは、ここだってビニールハウスでやるよりは、建物を建ててやったほうが、絶対、湿度管理・温度管理はよくできるわけです。ここの作業だって、ここの下は、そのまま土だけれども、きちんとコンクリートを打ったところで作業したほうが衛生的だし、かつ、作業をする人たちだって環境のいいところで作業できるわけですから。

しかも、それは特別なことをやるわけじゃなくて、「農業をやろう!」と思ってやってるわけです。来年からですけれども、私は横浜市に対して「農福連携を、1つの柱にしなさい」と提言しています。合わせて、都市農業のいわゆる「持続可能な都市農業のスタイル」をどうつくっていくのか、その仕組みづくりを行うように提言しています。

多分、来年から横浜市はこの2つの柱を取り組むことになります。今、仕込んでますから、期待してください(笑)。

来年度から、この取組を実施することは、実は、そのキッカケは三堀さんなんですよ。
三堀さんは、既に実践してやってるわけですから。農福連携と、新しい農業のスタイル。
都市農業として、野菜工場であったり、植物工場であったりというようなことを実現したい。

ただ、建物を建てるということは、地下に水分がなくなることにもつながります。コンクリートを打つわけですから。

だから、環境にも負荷がかかることにもなります。
だったら、環境配慮型の建物を建てることを条件にするなどしたいと思います。
今後、新しい農業の活性化の動きは、横浜市で増えていくと思っております。

三堀さんには、今度の全国大会(JA 青壮年部による「青年の主張」全国大会)で、全国に向けて都市農業はこういう苦労があることをしっかり訴えて欲しいし、人手不足解消のため、農福連携をこれから進めなければいけない!ということを訴えてもらいたいと思います。

加藤:
プラスして、横山先生にも、横浜市のこれからの施策に反映させて頂きたいです。

横山:
農業のために必要な施設を農地に建てて、悪いはずがありません。
ただ、今の仕組みの中ではなかなかそれが難しいわけです。

それは、じゃあ、役所が仕組みを変えればいいだけのことですから。そこは、ルールを守ることが目的じゃありません。

目的は、別のところにあるわけですから。そこは、改めるべきものはちゃんと改めたほうがいいということです。

4.横浜の今後の障害者就労の取組について

加藤:
横山先生に更にお聞きします。
横山先生は、障害者就労にお力を入れておられます。今後の障害者就労で、今、横浜市では、こういう取り組みが進んでいるというものがございましたら、教えて頂けないでしょうか?

横山:
とにかく、障害者特性を活かした仕事の職種の拡大が重要だと思っています。そのためには、その障害者の方が、自分がどういうことをやりたいのかなど、まず、就労の意欲をもってもらうことが重要です。

そして、実際に働き始めて、これも続けられると思えるような職種を拡大していくことが重要です。今、横浜市は駅の喫茶店、区役所とか市の施設の中の喫茶店の運営やパンを売るなど、就労の場づくりを拡大しています。

あるいは、北部斎場など、斎場の中の湯茶を提供する、民間事業者の清掃分野、ビルメンテナンスの分野に官民を挙げて、就労の拡大に努めています。それと合わせて、事業所に対して障害者雇用率を義務付け、高めていくための仕組みも変えています。社会的な環境も徐々に整いつつあると思っております。

次に大事なことは、障害者の方々が「こういうことをやりたい」「ああいうことをやりたい」っていう情報発信をしっかりと行うことは、とても重要だと思っています。

一般のほとんどの方々は「障害者特性ってなんですか」って、わからないのが現状です。障害者の側からも、声を出してもらいたいと思います。

「こういう仕事をやりたい」「私たち、こういうことできます」ということを言ってもらうことが、職種の拡大につながりますから。

加藤:
そういう声が上がれば、またそれを議会などにあげて、「全国に広げていきましょう」っていう感じになるということですね。

横山:
そういう側面もありますが、企業の視点で見れば、「あ、こういう仕事もできるんだ」という気付きにもつながります。「じゃあ、こういう仕事をうちの会社でやってもらえないか」とかなど、障害者の方と企業のマッチングにつながってくるはずです。

児童福祉とか、高齢者福祉っていうのは、自分の身内にいたり、これから自分の行く道であったり、自分が来た道だから理解は深いのですが、障害者福祉の場合は、周りに障害者がいないとわからないですよね。

加藤:
そうですね。

横山:
だから、そのためには障害者側からも「私たち、こういうことできます」という手を挙げてもらいたいと思います。

5.三堀さんへのメッセージを御願いします!

加藤:
ありがとうございます。
最後に、三堀さんの魅力的なところでいうと、どういうところがあると思いますか。

横山:
目標を決めたら、しっかりやり遂げる強さですよ。そこは、非常にいいと思います。

加藤:
今後、どんなような活動を期待されていますか。

横山:
いや、これは、もちろん農業を中心としてこれから雇用を増やしてくれたり、あるいは、今はシイタケですけれども、その他のものに関しても事業を広げられるようなことを期待しますよね。

それは、ただ、三堀さんがおっしゃっているように、今の自分の力を見極めた上でどう発展させていくのかはとても重要です。あまりにも目標だけが大きくて、現実離れして欲しくはありません。少しずつ拡大していけるような力を発揮してもらいたいなと思います。

加藤:
先生のほうから、これから障害者就労支援施設をつくってみたいなという事業者様に向けて後押しするメッセージがあればお願いします。

横山:
いい仲間をつくることだと思います。とくに相談相手。自分で考えても限界がありますので、行政に相談することもいいでしょうし、福祉団体に相談することもいいでしょう。

あるいは、地域の私のような政治家に相談することも良いと思いますよ。
政治家は、いろんな情報を持っています。

いろんな情報を持ってるんだけども、それをどうマッチングさせるかっていうのは、きっかけがないとマッチングできないんです。

だから「自分はこういうことがやりたくて、こういう思いを持ってるんだけれども、誰かいい人紹介してくれないだろうか」っていうと、常にいろんなアンテナを政治家は張ってますから「こういう人、紹介してあげるよ」とか「ここ、行ってごらん」っていうアドバイスができると思うんですね。だから、いろんな人に相談することがいいと思いますよ。

加藤:
でも、横山先生みたいな政治家の方、珍しいですよね(笑)。
僕のことを、ちゃんと紹介してくれた政治家の方、実は、先生が初めてです(笑)。

横山:
僕のこのスタイルがものすごくまともだと思っていますし、合ってると思っています。
そもそも、政治家自体、生産性のある仕事だと僕は思っていません。

いろんな情報の接点だと思っていますから。それをうまくマッチングさせていくことが政治家の役割だし、その仕組みをつくっていったり、法律をつくったりというのが我々の仕事だと思っています。いろんな情報の交差点が我々の仕事です。

加藤:
障害者の親御さんたちも、ご本人も声を上げていただいて「こういうことをしたいんだ」っていうときに、是非、地元の政治家の方に聴いてみるのもいいですね。

横山:
そうです。「こういうことをしたいんだ」「こういうこと、私たちできるんだ」という声を、ぜひあげてもらいたいです。

加藤:
横山先生、ありがとうございました!

以上となります。

第5部、横浜市議会議員 横山先生に聞く「横浜市の障害者就労の現状と都市型農福連携事業」についてお知らせしました。
私は現在、横浜市に在住しておりますが、今回の取材を通し、横浜市は農福連携や障害者就労について、着実に進めておられることがわかりました。
合わせて、横山先生が非常に友好的に、三堀様と紹介して頂いたり、現地まできて頂きインタビューにも受けて頂けたことに感謝です。

正直、私も色々な政治家の方を見てきましたが、こんなにも市民の声に耳を傾けて頂けることにビックリしました。
横山先生には、障害者就労や農福連携など幅広い分野でご活躍頂きたいと心から願っております。

横山先生のホームページはこちらから

都市型農業にチャレンジする「青葉ファームランド」の挑戦シリーズのバックナンバー
第1部 都市型農業にチャレンジする就労継続支援B型施設「青葉ファームランド」様の設立のキッカケ
第2部 なぜ、シイタケ栽培の事業を選択したのか?
第3部 なぜ、シイタケ栽培の事業を選択したのか?
第4部は、乾燥野菜づくりの現場をレポート&編集後記となります。

次回は、社会福祉法人らっくさんの取材を7月以降に掲載する予定です。
おたのしみに!

加藤 雅士

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電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構にて広報委員を担当する。現在、株式会社グリットの代表取締役会長としても活動を行っている。

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