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ローナ・ウィングの3つ組 ~アスペルガー症候群に見られる代表的な特性と3つのタイプ

発達障害

はじめに
 ローナ・ウィングは、イギリスの精神科医で、アスペルガー症候群を含む「自閉症スペクトラム」の特性を3つにまとめました。これは「ウィングの3つ組」と呼ばれ、現在もアスペルガー症候群を考える際のキーワードになっています。ここでは、ウィングが提唱した「3つ組」という、アスペルガー症候群に見られる3つの特性と対人関係の特徴から分類できる3つのタイプなどについて見ていきます。

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1. アスペルガー症候群の代表的な特性 ~ローナ・ウィングの3つ組

「図-アスペルガー症候群の代表的な特性」

(1) アスペルガー症候群、その代表的な3つの特性

アスペルガー症候群は、次の大きな3つの特性が見られる障害です。この特性は、知的障害を伴う自閉症にも見られる特性です。つまり、知的障害を伴う自閉症が片方の側にいて、もう一方の側に正常があるとした場合、その間に正常と異常の線引きはなく、地続きであるというイメージ(≒自閉症スペクトラムというとらえ方)にもつながっています。

① 社会性(対人関係)の特性

社会で常識とされるようなことや暗黙のルールといったものに無頓着であるという特性です。この特性は、周囲に関係なく自由な発想ができる、孤立してもやり続けられる・やり遂げられる、周囲の感情に惑わされないといった長所となることでもあります。

一方で、その場の空気や相手の様子などを読むことができない、周囲に配慮しながら行動することができない、あいさつや礼儀をわきまえない、間違っていても謝らないといった行動に結びつきがちです。そのため、ご自身には全く悪気はないのに「非常識」「自己中心的」と見られやすくなり、他人の怒りをかってしまうことにつながることが多くなります。

ご本人としては、たとえば、「年上の人には敬語を使うこと」、「●時までに△をやる」などのように、「ルールや具体的な基準が示されていないのだから、自分は悪くない」、「そうは言われなかったのだから、基準を示さない方が悪いのに、ナゼ怒られるのか」といった感覚があるようです。

この特性は、対人関係の質の問題という形で表現されたり、診断されたりすることになります。つまり、対人関係において、「多い」「少ない」といった量には問題がなく、対人関係の「質」、対人関係能力の低さが問題になっている、ということです。実際、アスペルガー症候群であっても、友だちが多いという方はいらっしゃいます。

しかし、共感することや「気持ちを分かち合う」といったことにニガテがあるため、対人関係がうまくいかないことが多くなり、孤立してしまうということにつながっていきがちだということです。

② コミュニケーションの特性

自分の興味のあることや頭に浮かぶことを次々話すといった特性です。この特性は、印象に残ったことを率直に話せる、独特の言い回しなどが面白い、あることについてとことん話を続けられるといった長所となることです。
しかし、それは、相手に興味があるかないかに関わらず話し続ける、相手の話はまったく聞かず一方通行で話す、相手が話している途中で他のことを始めるといった行動に結びつきがちです。

仲間と一緒に何かをやるといった場面で他人の言うことはまったく聞かなかったり、休憩時間と勉強時間などの切り替えができずに話し続けたりといった問題を起こすことが多くなります。

ご本人は、たとえば、「いろいろと思い浮かぶことをがんばって伝えようとしているだけなのに、ナゼ怒るのか」、「興味がない話なのだから、そちらが伝えたいことがあるなら文字にしろ」といったように感じていることが多いようです。

このような特性は、「意志伝達」が上手に行えないという事につながります。知識として「言葉」は正しく理解できているのですが、その言葉を額面通りにしか使うことができないことが多く、冗談や皮肉、たとえ話などの意味を理解することがニガテになります。特にニガテなのが「非言語的」なコミュニケーションです。

③ こだわりの強さという特性(想像力の障害)

決められた手順や一度決めたルールなどに徹底してこだわるという特性です。物事に真剣に取り組む、単純作業などを嫌がらずに続けられる、規則正しく生活できる、記憶力が高いなどの長所となってあらわれる面があります。その反面、突然のスケジュール変更や中止、ルールの変更などを極端に嫌がり、時にパニック状態になったりする場合もあります。

これは、次に何が起こるか、どんなことが起きる可能性があるかといった想像力を働かせることがニガテであることが原因です。また、例外を認めなかったり、他人の誤りを許さなかったりといったことも、同じ特性が原因であらわれがちです。ご本人にとっては、「決められたルールや決まったことをナゼ変更するのかわからない」「変更があったからできないだけなのに、自分が怒られるのは納得がいかない」といった感情に結びつくようです。

このことは、自分とは異なる立場になった事を想像することが難しいという形でも現れます。このため、相手の気持ちを理解できず、しばしばトラブルの原因となります。また、子どもの場合であれば、「ごっご遊び」が出来ないという症状がみられることがあります。「誰かの立場を想像することができないから」です。

(2) アスペルガー症候群、その他の特性

アスペルガー症候群では、他にも手先が不器用、聴覚や触覚などいわゆる五感などの感覚が過敏または鈍感といった特性が見られる方が少なくないと言われています。

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参考
厚労省ホームページ
発達障害の理解のために
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/17.html
e-ヘルスネット ホームページ
アスペルガー症候群について
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-006.html

内閣府 ホームページ
自閉症・発達障害の理解と対応
http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/soudan/04/s6.pdf

国立精神・神経医療研究センター ホームページ
http://www.ncnp.go.jp/
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2. アスペルガー症候群の3つの特徴を長所と短所で整理する

 ここまで見てきたアスペルガー症候群に見られる特徴を、長所と短所という視点で見ると以下のように整理することができます。「長所は生かされた短所、短所は生かされなかった長所」というとらえ方があるとおり、アスペルガー症候群であるということは、決して短所の面からのみとらえられるものではないということです。

参考:
国立精神・神経医療研究センター ホームページ
http://www.ncnp.go.jp/

よくわかる大人のアスペルガー、梅永雄二監修、主婦の友社

3. アスペルガー症候群の方の3つのタイプ

アスペルガー症候群の方を、社会性の特性、つまり、相互的な対人関係の特徴から分類すると、3つのタイプに分けられる、と考えられています。

「図-社会性の特性から見るアスペルガー症候群の3タイプ」

(1) 孤立型

他人と話したり関わったりするのが苦痛で、一人でいることを好むタイプです。
このタイプの方は、あたかも周りに人がいないかのように振る舞います。声をかけても反応が乏しい、視線があいにくい、などの傾向が見られます。また、人と関わろうとせず、また、関わられることを避けることもあります。声が大きいと感じていたり、言葉かけが多いと感じていたりするようで、それが周囲の人を嫌がることにつながっていると考えられます。

一方で、安心感を持ってもらえれば、それなりの親しみをもってくれるようになります。びっくりさせないように、正面からよりも横から声をかける、後ろから声がけはしない、静かに関わる、などの配慮が必要なタイプです。自分で自分の気持ちに気づいたり、気持ちを訴えたりすることもニガテなタイプなので、周りの人が察知してあげることが必要になります。

(2) 受け身型

 自分からは積極的に関わりを持とうとしませんが、誘われればつき合う、というタイプです。

このタイプの方は、自分から関わろうとはしないものの、人からの関わりは拒否しません。つまり、対人関係が受け身なのです。「これがいい」「これはイヤ」といった自己主張をするタイプではないので、周囲の人が、その人たちの考えで様々なことを押しつけてしまい、それが原因でご本人が混乱をしてしまうといったことを起こしがちです。

また、言われるがままに、さまざまなことを引き受けてしまい、それができなくなってパニックを起こすといったことがあります。よって、ご本人がどんな状況にあるか、周囲が確認してあげるといったことが大切になるタイプと言うこともできるでしょう。

(3) 積極奇異型

知らない人でも平気で話しかけたり、馴れ馴れしく接したりするタイプです。

このタイプの方は、相手におかまいなく一方的に関わろうとしますし、また実際に関わりを持ちます。積極的に話しかけてきたり、関わりを求めたり、といった行動が見られるということですが、相手の反応には無関心です。また、一見するとおしゃべりというようにも見えますが、内容はワンパターンだったり、一方的だったりするという特徴があります。

周囲の人が、ルールを決めてあげたり、それを守れるようにサポートしたり、といった対応が必要になります。

 このように、タイプを分類することはできるのですが、このタイプは固定されたものではありません。つまり、成長とともにさまざまな経験や学習をすることで、変わることあると考えられています。特に、子どもの頃には積極奇異型だった方が、大人になるにつれて孤立型や受け身型になっていくというケースが少なくないようです。成長過程での対応の問題と、アスペルガー症候群をお持ちであることによって、引きこもりなどの問題行動を起こすようになる場合もあると考えることもできるのです。

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参考:
あいち発達障害者支援センター
広汎性発達障害について
https://www.pref.aichi.jp/hsc/asca/disorders/pdd.html

国立精神・神経医療研究センター ホームページ
http://www.ncnp.go.jp/

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4. 特性を理解することで、対策も見えてくる

「図-特性の理解と対策」

 このようにアスペルガー症候群の特性を見てくると、誰にでも当てはまる部分があるととらえることもできます。つまり、それが度を超している面があるのがアスペルガー症候群の方だというとらえ方です。だからといって、アスペルガー症候群の方に対する特別な配慮は必要ないと考えるのは早合点でしょう。

たとえば社会の常識というものに目を向けた場合、日本国内での常識は世界的な常識であるとは限りません。「おもてなし」と呼ばれる「他者への気遣い」などに対し、外国の方が、もし「日本らしい」ととらえられるのであれば、それは世界的な常識ではないということ。

また、「出る杭は打たれる」という言葉があるように、自己主張というようなことが、日本では避けられる傾向があるのに対し、「自己主張をされなければ他人がわかるはずがない」という考えもあります。つまり、今ある常識というものは、社会の歴史や文化などが創り出したものだというとらえ方もできるわけです。

このように考えると、創り出された社会に合わない、あるいは、それによって困難を抱えるのであれば、必要な配慮をするのは義務でもあると考えられるのです。また、誤解を恐れずに言うなら、アスペルガー症候群だからこその強みもあり、そのような強みを活かせる社会であることも非常に重要でしょう。

アスペルガー症候群の特性を理解すると実際にどんな配慮をすればよいか、という点も見えてきます。たとえば、ルールは数字などを使って定める、絵や写真や図などを使った説明をする、あいまいな言葉・基準が明確にならない言葉を使わない、あるいは、基準を示すといったようなことです。つまり、配慮することは可能であり、それによってアスペルガー症候群の生きづらさは、少なくともある程度は解消できると考えられるということです

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参考:
厚労省ホームページ
発達障害の理解のために
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/17.html

内閣府 ホームページ
自閉症・発達障害の理解と対応
http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/soudan/04/s6.pdf

厚労省
e-ヘルスネット ホームページ
アスペルガー症候群について
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-006.html

国立精神・神経医療研究センター ホームページ
http://www.ncnp.go.jp/

よくわかる大人のアスペルガー、梅永雄二監修、主婦の友社

最後に

 アスペルガー症候群に見られる主な特性は「(ウィングの)3つ組」と呼ばれ、社会性の特性・コミュニケーションの特性・こだわりや想像力の特性があります。

また、社会性の特性と呼ばれる相互的な対人関係の特徴から見ると、孤立しやすい方、受け身になる方、一般には常識的とはとらえにくい積極的だがそれが奇異なものに感じられる行動をしてしまうタイプの方がいらっしゃり、これらのことが、社会生活をおくる上で、さまざまな困難を引き起こしていると考えられます。

アスペルガー症候群に見られる特性に合わせた配慮は、難しいものばかりではありません。アスペルガー症候群というものの理解を深め、必要な配慮を行えるようになれば、より豊かな社会を創っていくことができるということでもあるのではないでしょうか。

なお、この記事に関連するおススメのサイトや書籍は下記の通りとなります。参考までご確認ください。

参考:
厚労省ホームページ
発達障害の理解のために
http://www.mhlw.go.jp/seisaku/17.html
e-ヘルスネット ホームページ
アスペルガー症候群について
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-006.html

内閣府 ホームページ
自閉症・発達障害の理解と対応
http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/pdf/soudan/04/s6.pdf

あいち発達障害者支援センター
広汎性発達障害について
https://www.pref.aichi.jp/hsc/asca/disorders/pdd.html

国立精神・神経医療研究センター ホームページ
http://www.ncnp.go.jp/

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金森 保智

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全国地域生活支援機構が発行する電子福祉マガジンの記者として活動。 知的読書サロンを運営。https://chitekidokusalo.jimdo.com/

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加藤 雅士

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電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構にて広報委員を担当する。現在、株式会社グリットの代表取締役会長としても活動を行っている。

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