依存症 誰もがなり得る依存症の種類 ~ネット依存や定年性依存症などの最新動向

精神障害

はじめに
 一般的に依存症というと、プロ野球の元スター選手や元アイドルグループのメンバーなどの話題もあり、薬物やアルコールなどへの依存をイメージされる場合が多いようです。しかし実際の依存の対象は多種多様で、ありとあらゆるものがその対象になりえることがわかっています。また最近では、それまでは予兆すらなかった定年後の高齢の方が発症するケースも多くなっていることがわかっており、誰もがなりえる可能性があります。

 ここではそのような依存症について、依存症の種類や共通して見られる特徴、依存症となるメカニズム、依存症になってしまった場合の対応などを中心にまとめています。

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1. 依存症とは?
(1) 依存症とは?

① 依存症は進行する

 依存症とは、ある特定の「事」を、ご本人は「やめたい」と思っているのに、自分の意思では「やめられない」状態になってしまっていることを言います。またそのことが原因で、社会生活をおくる上で大きな支障が出てくることになります。また依存症は、依存している「事」の量や頻度がだんだんと増えていく「進行性であること」が特徴で、適切な治療が必要であることがわかっています。

② 依存症の2つの特徴 ~ 「否認の病気」・「孤独の病気」と言われる理由

依存症は「否認の病気」と言われています。ご本人が「自らの問題を認めない」ケースが多く、病気と認識できない場合が多いのです。その一方で、その方が巻き起こしたトラブルへの対応にご家族の方々などが奔走することになり、ご本人以上に疲弊してしまうことが多いと言われています。

また依存症は「孤独の病気」とも言われています。たとえば「学校や職場、地域のコミュニティなどにうまくなじめない」といったことから生じる孤独感や、日々の強いプレッシャーや自分に自信が持てないといった焦りや不安から、アルコールや薬物、ギャンブルなどに頼るようになってしまい、発症するケースが多くあるのです。

(2) なぜ依存症になると「やめられない」のか? ~ 条件がそろえば誰でもなりえるのが依存症

「図-依存症になるメカニズム」

依存症には、「本人の心が弱いこと」「本人の意思が弱いこと」「根性がないこと」がその原因だとするイメージが一般的にはあるようです。しかしすでに見たことからもある程度推察できる通り、依存症は何らかの原因で身心のバランスを崩してしまった結果陥るもので、条件がそろえば誰もがなりえることがわかっています。

実際の依存症の原因は、ドーパミンと呼ばれる物質が脳内で分泌されることに始まる悪循環の回路にあると考えられています。アルコールの摂取を例にすると次のように悪循環の回路がつくられ、依存症になっていくのです。

① アルコールを摂取する
② 脳内でドーパミンが分泌される
③ 中枢神経が興奮して、「快楽・喜び」を感じる
④ その「快楽・喜び」を、脳が「ご褒美」として認識する
⑤ 脳内に「ご褒美を求める回路」が出来上がる
⑥ アルコールの摂取をくり返すことで、「ご褒美を求める回路」の機能が低下し、「快楽・喜び」を感じにくくなる
⑦ これまでと同じ「快楽・喜び」を感じられるよう、アルコールをさらに摂取する
⑧ さらに「ご褒美を求める回路」の機能低下が進行する
⑨ 脳が「ご褒美」を求めてエスカレートした状態となり、自分の意思でコントロールできなくなる

このような悪循環の回路がつくられるということは「快感・喜び」が感じにくくなるばかりではなく、物足りなさ、焦燥感や不安が増していくということでもあります。つまり依存症の原因は意思の弱さや性格といったものでもなく、まして最初から依存しようと思ってなるものでもないのです。

依存症が「条件さえそろえば誰でもなる可能性があり、特別な人だけの問題ではない」と言われるのはこのような理由からであり、依存症は脳が引き起こしている可能性の高いものなのです。

(3) 依存症の問題点

「図-依存症の問題点」

 依存症において、依存の対象に「事」は人それぞれです。一方でその共通点は、「何かしらの問題が起き、誰かが困る」という点です。

① ご本人の心身への悪影響

 依存症になったときに問題になるのは、ご本人が適切な選択・判断をできなくなることです。

人は社会で生活する上で、そのときその場面ごとに、何らかの「選択」しながら生きています。たとえば食事を摂ったり、睡眠をとったりといったことはもとより、掃除・洗濯、外出、勉強、仕事、人と会うことなどなど、すべてが「生きていくための選択」です。これらは無意識に行われている場合もあります。

しかし依存症の状態になると正しい選択ができなくなり、生活の中での優先順位が変わってきてしまいます。

たとえば食事や睡眠をおろそかにしたり、ご家族の方との大切な時間を削るようになったりと、これまで健康に生活していくために優先していたことよりも「依存の対象になっていることをすること」を無意識に選択、優先するようになってしまい、結果、ご本人の心身に悪影響を及ぼすことになるのです。

依存症が進行すると「依存の対象になっていることをするため」に、学校や仕事を休んだり、借金をしたりするようになることもあります。このように依存症になってしまうと、その代償として、自分の心身の健康や、社会での生活が損なわれていってしまうのです。

② ご家族など周囲の方々への悪影響

また依存症は本人だけの問題ではおさまらず、ご家族の方や周りの方を巻き込んでいきます。

ご家族や周囲の方々の人間関係よりも、「依存の対象になっていることをすること」を優先してしまうために、嘘をついたり、借金をしたり、「依存の対象になっていることをすること」を実際にはしているのに隠したりする。そのような行為はよく見られる依存症の症状です。意思で何とかなるものではないため、その行為自体は収まるどころか次第に進行していくという特徴があります。

そのような生活を続ける中でご本人の嘘に傷つけられたりご本人の代わりに借金を返済したりといったことも多くなり、ご家族も疲弊していってしまうのです。

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参考:
政府広報オンライン
暮らしに役立つ情報
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201803/2.html

厚労省ホームページ
依存症対策
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html
みんなのメンタルヘルスホームページ
依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_dependence.html
アルコール依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_alcohol.html
薬物依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_drug.html
アルコール依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_alcohol.html

公益財団法人 東京都人権啓発センター
意志や倫理の問題ではなく、依存症はこころの病気です
https://www.tokyo-jinken.or.jp/publication/tj_48_feature2.html

2. 増え続ける依存症の種類 ~ 主な依存症

「図-依存対象の分類」

 依存症はアルコールや薬物など物質への依存のイメージが強いようですが、実際にはありとあらゆるものが依存の対象となることがわかっています。ここでは大きく3つに分類して確認していきますが、分類方法は複数あります。特に「プロセスへの依存」と「関係への依存」は、相互に絡み合っている部分もあるようです。

(1) 物質への依存

特定の物質を体内に取り入れることによって快感を得て、不安や恐れの感情を抑えようするものです。その物質を体内に入れると陶酔感や酩酊感を手早く手に入れられるため、誰もが陥る危険性があると言われています。
主なものに、アルコール、薬物、たばこなどがあります。

(2) プロセスへの依存

物質ではなく特定の行為や過程に必要以上に熱中し、のめりこんでしまうものです。
主なものに、ギャンブル、買い物などがあります。

(3) 関係への依存

 ある特定の人間関係に必要以上にとらわれ、その関係から逃げられない状態に陥るものです。
 主なものに、恋愛、DVなどがあります。

(4) 最近の依存症 ~ ネット依存症、定年性依存症

① ネット依存症

 インターネットやソーシャルネットワークサービス(SNS)の発展により注目を集めているものにネット依存症があります。

ネット依存症は、インターネットやSNSなどのサービスの利用を自分の意思でやめることができず、そこにつながっていないと不安に感じるという依存症です。依存の度合い重篤化すると幻聴・幻覚に悩まされるなど、日常生活に支障をきたすようになると言われています。

ネット依存症には、既に見た「プロセスへの依存」と「関係への依存」という2つの側面があると考えられます。インターネットの利用自体にのめり込むというものと、インターネットやSNSを通じたコミュニティに対する依存です。

同様のことはゲームにも言えます。ゲームそのものに依存する面と、インターネット経由のゲームを通じたコミュニティに依存するという2つの側面があるということです。

なお、世界保健機構(WHO)はゲームへの依存を新たな疾病として定義し、「国際疾病分類」に加える見通しであることを明らかにしています。

② 定年性依存症

 定年性依存症は特に高齢男性に多く見られる依存症です。現役時代は何も問題がなかった方が、定年を機にアルコール依存症やギャンブル依存症などになってしまうようなものを言います。物質・プロセス・関係の各依存症の分類とは異なり、人生の「転換点」を中心にした依存症のとらえ方と言えるでしょう。

通常各依存症は、長い期間をかけて発症するものとされていますが、定年性依存症の場合は短期間に重篤化するのが特徴とされています。

この背後にあるのは、定年を機に生活が変わることにあると考えられています。それまでの日々の生活では、仕事と仕事上の人間関係など、ある意味では他者中心だったものが自分の意思次第・自分中心に一変することで、自尊心を失ってしまうことが原因とも言われています。なおこのような人生の転換点を機にうつ病などを発症するケースも多いと言われています。

(5) 各依存症の患者数

 各依存症の患者数については、正確なところがわからないというのが実情です。依存症が「否認の病気」と呼ばれていることからもわかるとおり、既に依存症であるにも関わらず、そのことをご本人が自覚しにくい面があるからです。

なお、物質への依存であるアルコール依存症では、その疑いのある人は2003年の調査からの推計で440万人、治療の必要なアルコール依存症の患者さんは80万人いるとされている他、中高生を対象にしたネット依存症については、2012年時点で52万人との推計結果があります。昨今の情勢を考えれば、特にネット依存症などは低く推計されている可能性が否定できないでしょう。

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参考:
政府広報オンライン
暮らしに役立つ情報
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201803/2.html

厚労省ホームページ
依存症対策
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html
みんなのメンタルヘルスホームページ
依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_dependence.html

総務省
第1部 特集 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト ネット依存傾向の国際比較
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc143110.html

消費者庁ホームページ
ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_012/

Forbes JAPAN
脳を変えるスマホ依存症の怖さ 10代の自殺率にも影響か
https://forbesjapan.com/articles/detail/21484?n=1&e=18925

朝日新聞デジタル
ネット依存症の疑い、中高生52万人 暴力ふるう傾向も
https://www.asahi.com/articles/ASL5504TNL4MULBJ00T.html

ヤクルトホームページ
「ネット依存症」現状と対策
http://www.yakult.co.jp/healthist/222/img/pdf/p20_25.pdf

日本経済新聞電子版
やめられない「ゲーム障害」は疾病 WHOが定義へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25411950W8A100C1CR0000/

3. 依存症から脱するために
(1) 依存症からは回復できる ~まずは「止める」ためにできること

依存症になるということは、脳内に「ご褒美を求める回路」が出来上がってしまっていることを意味します。この回路が出来上がってしまうと、脳を以前の状態に戻すことは難しいと言われています。依存症が風邪のような病気とは異なり、精神障害の一つとされる理由です。

とはいえ、さまざまな助けを得ながら回復に向かっていくこと、上手につきあうことは可能です。その第一歩は「止めること」です。

止めることができれば、社会生活を問題なくおくることができるのですが、問題はその誘惑をいかに断ち切るか、そして、依存の対象となっている「事」以外に大切な時間をどのように使うかという点です。そこで大切になるのが「相談すること」です。

(2) 一人で悩まない

 依存症は意思の問題ではないことがわかっています。つまり「まずは一人では止められないと考えた方がよい」ということであり、協力関係が大切になると言えるのです。この「止めるための協力関係」をつくる上で「相談することは」非常に重要な依存症への対処方法と言えるのです。

依存症の疑いがある場合、まずは専門医療機関やお近くの保健所、精神保健福祉センターといった行政機関に相談し、専門家から適切なアドバイスを得ることが大切になるということです。

また依存症は、俗に「足で治す」と言われるほど、依存症の問題を抱えた人同士でのミーティングや情報交換を行いながら回復を目指していく「自助グループ」へ参加し、参加者同士で助け合いながら治療することが重要と言われています。他にもリハビリ施設を利用する方法もありますが、いずれも保健所や精神保健福祉センターに相談すれば情報を入手することができます。

(3) 周囲の方のサポートも重要

 一人では止めることはできないことを考えれば、ご家族の方を中心とした周囲の方のサポートが重要になることもご理解いただけるでしょう。いくら根性論でご本人を責めても問題は解決しませんし、叱責や罰を与えたりすることだけでは状況をむしろ悪化させてしまうと考えられます。

 依存症というものの十分な理解と、ご本人の状況を把握し、依存の対象となっている「事」を遠ざけたり、他のやりがいに目を向けさせたり、支援機関や自助グループへ誘導するなどして、「止め続けられること」を中心に、ご本人が依存症から回復することを支援することが大切と言えるでしょう。

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参考
厚労省ホームページ
依存症対策
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html
みんなのメンタルヘルスホームページ
アルコール依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_alcohol.html
薬物依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_drug.html
アルコール依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_alcohol.html

消費者庁ホームページ
ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_012/

最後に

 依存症はアルコールや薬物などの物質依存だけでなく、ギャンブルなどのプロセス依存、恋愛などの関係依存などに分類することができますが、実はあらゆる「事」が依存の対象となりえます。また、依存症は脳の中に「対象となる依存物を求める悪循環の回路」が作られてしまったことにより生じるものなので、誰もがなり得るものでもあります。

このことは、定年というライフステージの変化を機に発症する定年性依存症と呼ばれる依存症があることからも明らかでしょう。

 また、昨今はネット依存症が注目を集めるようになっています。ゲーム依存も含め、「その行為そのもの」だけでなく、そこでのコミュニティという関係性に依存するという意味で、二重の依存になって場合があるのがネット依存症とも言えます。

 依存物を求める悪循環の回路が一度脳内にできてしまうと、それを取り除くことはできないと言われており、また放っておけば徐々に進行してしまいます。このため治療の基本は、依存の対象となる行為と距離を保つなど、それをコントロールする方法を学ぶことになります。

一方、そのコントロールができるようになれば、問題なく社会生活をおくれるようになることもわかっています。もしかしたら、ということがあるようなら、勇気をもって専門機関に相談することが大切と言えるでしょう。

なお、この記事に関連するおススメのサイトは下記の通りとなります。ご参考までご確認ください。

参考:
政府広報オンライン
暮らしに役立つ情報
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201803/2.html

厚労省ホームページ
依存症対策
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789.html
みんなのメンタルヘルスホームページ
依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_dependence.html
アルコール依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_alcohol.html
薬物依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_drug.html
アルコール依存症
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_alcohol.html

総務省
第1部 特集 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト ネット依存傾向の国際比較
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc143110.html

公益財団法人 東京都人権啓発センター
意志や倫理の問題ではなく、依存症はこころの病気です
https://www.tokyo-jinken.or.jp/publication/tj_48_feature2.html

消費者庁ホームページ
ギャンブル等依存症でお困りの皆様へ
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_012/

Forbes JAPAN
脳を変えるスマホ依存症の怖さ 10代の自殺率にも影響か
https://forbesjapan.com/articles/detail/21484?n=1&e=18925

朝日新聞デジタル
ネット依存症の疑い、中高生52万人 暴力ふるう傾向も
https://www.asahi.com/articles/ASL5504TNL4MULBJ00T.html

ヤクルトホームページ
「ネット依存症」現状と対策
http://www.yakult.co.jp/healthist/222/img/pdf/p20_25.pdf

日本経済新聞電子版
やめられない「ゲーム障害」は疾病 WHOが定義へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25411950W8A100C1CR0000/

金森 保智

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全国地域生活支援機構が発行する電子福祉マガジンの記者として活動。 知的読書サロンを運営。https://chitekidokusalo.jimdo.com/

プロフィール

加藤 雅士

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電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構にて広報委員を担当する。現在、株式会社グリットの代表取締役会長としても活動を行っている。

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