ストレスとは? ~現代社会のストレス事情

精神障害

はじめに
 ストレスとは。現代社会はストレスフルだと言われています。ただ、ストレスは、誰もが多かれ少なかれ感じているものであり、うまくつきあっていく必要があるものでもあります。実際、過度なストレス下に置かれている方は多く、その要因もさまざまです。

ご本人が過度なストレス下に置かれ続けた場合、精神疾患・精神障害を含む、様々な症状があらわれてきます。実際、ストレス性疾患と呼ばれるものは多岐に渡っており、それを患う方が増えています。

このとき、そもそもストレスとは何なのかということを押さえておけば、ご自身や周囲の方がその渦中にいるとき、うまく対応していける可能性も高まるのではないかとも考えられます。

そこでここでは、そもそもストレスとは何か、現代社会のストレス事情を中心に、過度なストレスに気づくための基本となる視点などを見ていきます。

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1. ストレスとは?
(1) 良いストレスと悪いストレス

ストレスというと悪い面ばかりにスポットをあてがちですが、元々は「身体に刺激を与える」ことがストレスに当たります。よって、ストレスには、「良いストレス」も「悪いストレス」もあると考えられることになります。

① 「良いストレス」とは?

自分をやる気にさせてくれたり、元気づけてくれたり、奮い立たせたくれる刺激のことを指す、と言えるでしょう。たとえば、夢や目標、やりがいのある仕事、良い人間関係などはその代表例です。

② 「悪いストレス」とは?

良いストレスとは反対に、自分のやる気をなくさせたり、気持ちを不安定にさせたりするものの他、身体面に悪影響を及ぼすような刺激が該当します。たとえば、極端な疲労、人間関係の不和、不安などが、その代表例です。一般的に「ストレス」と表現する場合には、この「悪いストレス」を指していると言えるでしょう。

(2) ストレスとは? ~ ストレッサーとストレス反応の関係

「図-ストレスとは?」

 このような良いものも、悪いものもある「ストレス」は、医学や心理学の領域では、以下のように定義されています。

<ストレスとは・・・>
 「外部からの<ストレッサー>と呼ばれるさまざまな刺激によって、自分の身体や心に負荷がかかり、<歪み>が生じ、その結果、<ストレス反応>と呼ばれる症状があらわれること」

つまり、医学や心理学の領域では、こころや体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、ストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じたさまざまな反応をストレス反応と言うわけです。

この関係は、上の図に示したとおりですが、ストレスを風船にたとえてみると、その関係がわかりやすいかもしれません。風船を指で押さえる力がストレッサー、ストレッサーによって風船が歪んだ状態をストレス反応と言うということです。

(3) ストレッサーの種類

私たちの心身に影響を及ぼす刺激であるストレッサーには、次のようなものがあります。

① 物理的ストレッサー:

暑さや寒さ、騒音や混雑などを言います

② 化学的ストレッサー:

公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰、一酸化炭素などを言います

③ 心理・社会的ストレッサー:

人間関係や仕事上の問題、家庭の問題などを言います

普段私たちが「ストレス」と言っているものの多くは、「心理・社会的ストレッサー」のことであることがわかるのではないでしょうか。たとえば職場では、仕事の量や質、対人関係をはじめ、さまざまな要因がストレッサーとなりうることが明らかになってもいます。

(4) ストレス反応の種類

ストレッサーによって引き起こされるストレス反応は、次のように分類することができます。

① 心理面でのストレス反応

精神的な面での反応です。不安、イライラ、気分の落ち込みや興味・関心の低下といった抑うつ、活気の低下などがあります。

② 身体面でのストレス反応

身体症状としてあらわれる反応です。肩こり、腰痛、目の疲れ、頭痛、動悸・息切れ、体のふしぶしの痛み、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠などさまざまな症状があります。

③ 行動面でのストレス反応

行動としてあらわれる反応です。飲酒量や喫煙量の増加、仕事でのミスや事故、ヒヤリハットの増加などがあります。

このようにストレスは、「ストレッサーとそれに対するストレス反応も合わせた全体のことを言い、元々は良い面も悪い面もあったものと考えられるが、今日、一般的に使われる場合には<悪いストレスのこと>を指すようになった」と言えるわけです。

そこで、この場でも、以降「ストレス」は、「悪いストレス」を指すものとして、見ていきます。

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参考:
厚労省 こころの耳
1 ストレスとは
http://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh001/

厚労省 みんなのメンタルヘルス
ストレスって何?
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html

2. 現代社会のストレス事情

「図-現代社会のストレス事情」

(1) 増えるストレス

① 社会環境の変化が生むストレス

現代社会は、科学技術が高度に発達したこともあり、経済的には豊かになりました。便利で快適な生活が実現できている状態と言えるわけです。その一方で、「ストレス社会」ともいわれています。その要因もまた、人々を取り巻く環境の変化だ、とも言われています。

特に、働く人々の環境は、少子高齢化、団塊世代の大量退職、成果主義の導入、国際競争の激化、人員削減による負担の増大、経済状況の悪化など、その変化が非常に激しく、その変化の激しさが、仕事でストレスを感じている方々の割合や、ストレスの内容にも大きな影響を与えていると考えられるわけです。

② 厚労省の調査とその概観

ストレスが職場に蔓延していることは、厚労省が5年に一度実施している「労働者健康状況調査」で明らかになっています。2012年の調査結果が最新情報として提供されていますが、以下は、その主な動向です。

1) 「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者の割合の増加
仕事に関わる中で、ストレスを感じている方の割合は、30年前の1982年に比較して10ポイント程度増加しています。働く人の約6割は、ストレスを感じながら仕事をしている状況なのです。

年代別に見ると、30歳代・40歳代のいわゆる働き盛りと呼ばれる世代が「ストレスを感じている」とする割合が65%前後ともっとも高くなっており、他の世代と比較すると5ポイントからそれ以上の差異があることが明らかになっています。また、この傾向は、男女とも共通となっています。

2) ストレスの内容
ストレスの具体的な内容について見ると、その最大の理由は人間関係となっており、以下、仕事の質、仕事の量が続く結果となっています。

<ストレスの要因>

上記に加え、男性の場合は、会社の将来性(29.1%)や昇進、昇給の問題(23.2%)、定年後の仕事・老後の問題(22.4%)にもストレスを感じていることがわかっています。

つまり、男女によって若干の傾向の違いが見られることがわかるのですが、いずれにしても職場は、ストレス要因の宝庫と言っても過言ではない状況にあることが、データからもわかるのです。

(2) ストレスによる影響

① 増える労災申請

職場におけるストレスの影響の大きさは、精神疾患・障害による労災申請数を見ると明らかでしょう。2016年度には1500人以上の方が労災申請しているのですが、この数は2001年度の約6倍にも及んでいます。

② 身体の各部位にみられるストレス性の疾患

ストレス性の疾患にはさまざまなものがあるとされています。そのうち身体の各部位にみられる疾患として代表的なものは、以下のようにまとめることができます。

  <ストレスを原因とした主な身体部位別の疾患>

③ 全般にみられる疾患や問題

ストレス性の疾患は、必ずしもどこか特定の身体部位のみにあらわれるわけではありません。先の労災申請にも見られる精神疾患や精神障害も含め、以下に上げられるようなものは、ストレスを原因として起きがちだとも言われています。

1) うつ病
うつ病は、ストレス性疾患の代表とも言われています。やる気や興味が湧かない、精神的な落ち込み、気力の低下といった精神的な症状の他、疲れやだるさといった身体的な症状も見られるのが特徴とされています。

これらの症状は、何か特別な病気ではないのにあらわれるだけでなく、ご本人の力で回復するのが難しいという特徴もあります。また食欲不振、睡眠障害、動きの鈍化、集中力の低下なども、うつ病の症状のひとつに上げられています。

2) 自律神経失調症
自律神経失調症も、ストレス等により自律神経の働きが乱れた時に発症するとされています。全身の倦怠感、頭痛、肩こり、多汗、しびれ、動悸、めまい、不整脈、不眠などの身体症状の他、精神的な症状では、不安、緊張、躁うつなどが見られるとされています。

3) 不眠症などの睡眠障害
布団に入ってもなかなか眠れない、うなされて途中で何度も目が覚め熟睡できないといった睡眠に関する症状も、ストレスが原因となっている場合が多いとされています。不眠症を含む睡眠障害の問題は、眠れないがために疲労が残るなどして、日常の生活や健康に支障をきたすことと言えるでしょう。

4) 燃え尽き症候群
燃えつき症候群は、アメリカの心理学者が1980年に初めて用いたと言われていますが、その定義では、「持続的な職務上ストレスに起因する衰弱状態により、意欲喪失と情緒荒廃、疾病に対する抵抗力の低下、対人関係の親密さ源弱、人生に対する慢性的不満と悲観、職務上能率低下と職務怠慢をもたらす」とされています。

ワーカホリックとも呼ばれるような方たちほど、この症候群に陥りやすいとも言われています。

5) テクノストレス症候群
 テクノストレスとは、コンピュータ作業をする方たちに共通してみられる精神的な症状で、大きくはテクノ依存とテクノ不安に大別されるものです。

前者はコンピュータに中毒的に没頭することで、人間的な感性が乏しくなり、デジタルな考え方しかできなくなってしまうなどして、人や社会とコミュニケーションがとれなくなる状態を指し、後者はコンピュータの利用に適応できず、コンピュータに対する嫌悪感を持ち、ストレスを感じる状態とされています。

 他にも、無気力症候群、引きこもり、各種の依存症など、さまざまな症状や傾向がストレスとの関連で語られるようになってもいます。

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参考:
厚労省 こころの耳
1 ストレスとは
http://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh001/

厚労省
平成29年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h29-46-50b.html

厚労省 みんなのメンタルヘルス
ストレスって何?
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html

国立研究開発法人国立循環器病研究センター
[95] ストレスと心臓
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph95.html

3. ストレスに気づくことの大切さ

「図-過度なストレスに気づく方法」

ストレスは誰しも多かれ少なかれ感じているものと考えられますが、ストレスが大きな問題に発展しないようにするには、過度にためない、あるいは、適度なストレスとうまくつきあっていくことが大切になると言えます。

そのためのコツのひとつは、「自分へのストレスに気づく」こと、とされているのですが、その具体的な方法としては、どのようなものが考えられるのでしょう?

(1) 過度なストレスに気づく方法 ~ 自分の状態から過度なストレスのサインを見抜く

まずは、自分の状態から、過度なストレスのサインを見抜くことが重要とされています。たとえば、「よく眠れない」、「イライラすることが多くなった」というような自分の状態は、過度なストレスのサインのひとつと考えられます。

このようなサインをそのまま放っておけば、治療が必要なストレス性の疾患や障害に発展する可能性があると考えられます。

過度なストレスのサインに気づいた場合には、その解消のための何らかの対応、場合によってはカウンセラーや医師、ご家族や信頼できる人などに相談するといった行動をとることが大切と言えます。過度なストレスのサインとして考えられる主なものは以下のとおりです。

① 精神的な面で見られる過度なストレスのサイン

悲しい気持ち、憂うつ感
不安感やイライラ感、緊張感
無力感、やる気が出ない

② 体調面で見られる過度なストレスのサイン

食欲がなくなる。やせてきた。
寝つきが悪い、朝早く目が覚める。
動悸がする、血圧が上がる、手や足の裏に汗をかく

③ 行動面で見られる過度なストレスのサイン

消極的になる。周囲との交流をさけるようになる。
飲酒、喫煙量がふえる。
身だしなみがだらしなくなる。落ち着きがない。

(2) 過度なストレスに気づく方法 ~ 身のまわりの出来事から過度なストレスのサインを見抜く

自分の状態が、過度なストレスを感じている状態である場合、その原因となっている出来事があることが多いとされ、特に過度なストレスと感じやすい出来事が複数重なった場合や長く続いた場合などは、その傾向が顕著と考えられています。

よって、過度なストレスの原因になりうる要因については、しっかりと把握しておくことが大切になります。過度なストレスの原因となる出来事として考えられる主なものは以下のとおりです。

① 生活上の出来事

自分や家族の誰かが病気・怪我・災害などの被災体験をした
子どもの進学、夫婦や親子の不和など、家庭内の人間関係に問題があった
ローンや借金、収入の減少などの金銭問題があった
引越しや騒音などの住環境の変化があった

② 職場での出来事

仕事での失敗やミスがあり、責任を問われた
仕事の量や質、勤務時間などが変化した
上司や同僚、部下などと人間関係でのトラブルがあった
昇進や配置転換、転勤など役割、身分の変化があった

(3) ご本人にとってのストレスを把握すること=過度なストレス下にある方の支援の第一歩

 ここまでに、ストレスとは何か、現代社会のストレス事情、過度なストレス下に置かれ続けた場合になりえる主なストレス性疾患、そして、ストレスに気づくための視点などを見てきました。もちろんこれらは、ご本人がその状況に置かれた場合を想定して理解しておくべきことではあるでしょう。

 その一方で、これらは周囲の方の様子の変化に気づくための視点でもあると言えます。つまり、ストレスに対する正しい理解が、実はその状況にある方の支援の第一歩だとも考えられるのです。

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参考:
厚労省 こころの耳
1 ストレスとは
http://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh001/
労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150507-1.pdf
ストレスチェック制度について
http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou/#head-3
ストレスチェック制度導入ガイド
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/160331-1.pdf

厚労省
改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150422-1.pdf
平成29年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h29-46-50b.html

厚労省 みんなのメンタルヘルス
ストレスって何?
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html

公益財団法人長寿科学振興財団
ストレス緩和の運動とは
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shippei-undou/undou-sutoresu.html

国立研究開発法人国立循環器病研究センター
[95] ストレスと心臓
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph95.html

最後に

 現代社会はストレスフルだと言われています。実際、過度なストレス下に置かれている方は多く、その要因もさまざまと考えられます。ご本人が過度なストレス下に置かれ続けた場合、精神疾患・精神障害を含む、さまざまな症状があらわれる可能性も高まります。

実際、ストレス性疾患と呼ばれるものは多岐に渡っており、それを患う方が増えているという現実もあります。もちろん、ご本人が、その状態に早く気づき、何らかの対応をしていくことが大切ではあります。とはいえ、ご本人だけで、その状況を乗り越えられる場合だけではないのも事実でしょう。

ご自身が過度なストレスに悩まされることだけでなく、周囲の方がそのような状況に置かれることも想定して、ストレスというものに関して十分理解しておくことが必要なのが現代社会であるとも言えるのではないでしょうか。
なお、この記事に関連するおススメのサイトは下記の通りとなります。参考までご確認ください。

参考:
厚労省 こころの耳
1 ストレスとは
http://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh001/
労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150507-1.pdf
ストレスチェック制度について
http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou/#head-3
ストレスチェック制度導入ガイド
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/160331-1.pdf

厚労省
改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150422-1.pdf
平成29年 労働安全衛生調査(実態調査) 結果の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h29-46-50b.html

厚労省 みんなのメンタルヘルス
ストレスって何?
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/first/first02_1.html

公益財団法人長寿科学振興財団
ストレス緩和の運動とは
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shippei-undou/undou-sutoresu.html

国立研究開発法人国立循環器病研究センター
[95] ストレスと心臓
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph95.html

金森 保智

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全国地域生活支援機構が発行する電子福祉マガジンの記者として活動。 知的読書サロンを運営。https://chitekidokusalo.jimdo.com/

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加藤 雅士

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電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構にて広報委員を担当する。現在、株式会社グリットの代表取締役会長としても活動を行っている。

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