障がい者雇用の 「障壁」を取り除き、障がい者雇用を促進する「障がい者雇用支援センター」の取組み

発達障害

はじめに
シャローム大学校(http://shalom.wess.or.jp/)の学長で、障がい者雇用支援センター長でもある引地達也様から、障がい者雇用に関するイベント情報や関連する記事を投稿して頂きました。

障がい者雇用支援センター長
引地 達也(ひきち たつや)様

特別支援が必要な方の学びの場、シャローム大学校学長、一般財団法人福祉教育支援協会専務理事・上席研究員(就労移行支援事業所シャロームネットワーク統括・ケアメディア推進プロジェクト代表)。コミュニケーション基礎研究会代表。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般社団法人日本不動産仲裁機構上席研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。


目次
1.障がい者雇用の 「障壁」を取り除くイベントを開催
2.障がい者就労の支援が福祉方式から会社方式への移行で弊害は起きていないのか?
3.1対1ではなく、N対N
4.定着支援の充実に向け
5.最後に

1.障がい者雇用の 「障壁」を取り除くイベントを開催

 2019年、我々は、「障がい者雇用支援センター」という新たなコミュニティを立ち上げ、障がい者の就労支援と就労定着支援に関しての活動を開始し、そして、その活動に参画して頂ける「仲間」を集めております。

その第一歩として、2019年11月27日に東京都千代田区のLEC水道橋校を会場にして、「第1回 障がい者雇用推進フォーラム(つながるからはじめよう)」というイベントを行います。

このイベントには、発達支援研究所 所長の山本登志哉氏をお招きし、障がい者支援に関する特別講演として、発達障がい者の方とのコミュニケーションの関する講演をして頂きます。また、障がい者雇用を実践している支援者の方々に登壇頂き、実際の事例を交えながら、障がい者雇用の現場報告もして頂きます。

今回のイベントのプログラムは、
1)障がい者雇用支援センターの目的と目指すところ
2)障がい者支援特別講演(発達支援研究所 所長 山本登志哉氏)
  教育心理学者が語る発達障がい者とのコミュニケーション
3)障がい者雇用創出トークセッション
  企業・支援者による事例紹介と障がい者雇用の現場
4)障がい者雇用のポイント解説(社会保険労務士いいづか事務所代表 飯塚匡春氏)
  障がい者雇用のメリット(助成金等)や労務管理のポイント

となっています。

特に、障がい者雇用のトークセッションでは、障がい者雇用を行っている現場の方にの「生の声」をお知らせします。

今回の現場報告では、IBソリューションズ株式会社(養老乃瀧 特例子会社)、株式会社プロケア、株式会社いなげやウイング、一般社団法人全国地域生活支援機構の4つの企業・団体に登壇してもらう予定になっております。

このイベントに参加して頂きたい方は、
1)就労移行支援事業所
2)福祉事業者の支援者
3)障がい者雇用をしている、または障がい者雇用を検討している企業の担当者
4)企業の人事に関する役割を期待されている社労士
5)就職を目指す障がい者の方とそのご家族や関係者
6)実際に働いている障がい者
の方々です。

今回のイベントでは、それぞれのお立場の方が、このコミュニティに集まって頂き、参加者の皆さん方に交わって頂くことを目的にしております。我々は、実は、障がい者雇用の「障壁」となっているのは、それぞれのお立場の方々が、「分断化してしまっている」ことが問題であると考えております。

今回のイベントは、この「障がい者雇用」に携わっている方々に、それぞれのお立場の「障壁」を取り除いて頂くための試みであり、この交わりこそが、受益者であるはずの「障がい者」や、「企業」にとって、確実に良い効果を生むものだと考えています。

参加して頂いた皆さんには、我々から、「仲間」として繋がって頂くことを呼び掛けていくつもりでおります。

2.障がい者就労の支援が、福祉方式から会社方式への移行で、弊害は起きていないのか?

社会福祉法人などが運営していた障がい者支援施設は、行政の「措置時代」の名残を引きずり、障がい者就労の支援について、「福祉のやり方」をフォーマット化して実施しているところが未だに残っています。

一方で、現在の就労移行事業所は株式会社等、民間の参入組が多くなっています。そのため、「福祉方式」は、確実に「企業方式」に行動が変化してきていることは間違いありません。しかし、極端な言い方をすれば、「株式会社のやり方を踏襲しすぎての新たな分断化が生まれている」と感じることもあります。

例えば、自事業所の利用者を就職させようと、企業に個別アプローチする「営業」を積極的な働きかけることは良いことです。しかし、1つの事業所の利用者は20人以内の場合が多く、その事業所内で企業とのマッチングができなければ、利用者様と企業との関係は終了してしまうことになります。

これは私自身も経験したことですが、企業が雇用したいと思っていても、自分の関係する事業所に該当者がいなければ、ミスマッチが起き、折角の「障がい者雇用の場」が創出されないことになります。これは、企業にとっても、障がい者施設にとっても、非常にもったいない話となります。

3.1対1ではなく、N対N

 ここで大事なのが、企業と施設の1対1の関係ではなく、広いコミュニティの中で、就労支援員同士がつながり、企業もつながることで、「一人でも多くの方に雇用の機会を創造していく」、という考え・立場を同じくして動くことが重要ではないかと考えております。

そうすれば、自然とその融合は情報交換から始まり、自分が属する事業所以外の就職希望者につながるはずです。

我々が新たなコミュニティとしてスタートする障がい者支援センターでは、無料で就労を支援する「紹介事業」の支援機関の役割も担い、通所する利用者の方に「働く場」を紹介していく予定です。

そのためには、障がい者の方がもっている「就労への思い」を形にする「コミュニティを創り」が重要だと認識しています。よって、障がい者雇用センターでは、この「コミュニティづくり」の活動を積極的に行っていく予定です。

4.定着支援の充実に向け

この障がい者雇用センターで作るコミュニティでは、「就労」という入口でのつながりから、「就労を定着させる」という、働く障がい者と、働く障がい者を支援する企業と支援員の取組みの充実化行っていきます。

現在、職場への定着支援は、最も必要とされながら、なかなか機能化するのが難しい領域になっています。

職場定着支援事業とは、就労移行支援事業所から就労した際に、その企業に長く「定着」するための支援事業で、就労して6か月は通所していた事業所が定着支援に関わるケースがほとんどです。6か月後は、新たな契約を行い、個別の定着支援事業に切り替わり、支援する仕組みとなります。

障がい者の方が、入社してからの定着支援は、就労移行支援事業所の支援員が面談やヒアリング、コミュニケーション等を定期的に行い、課題が抽出された場合は、企業にそれを伝えたり、担当者と当事者との3者面談を通して話合い、課題をクリアしていく中で、順調に仕事ができていることを確認していきます。

しかし、いざ、この定着支援を実施すると、企業が面談やヒアリング、コミュニケーション等を定期的に行わないケースがでてきたりします。

とくに、当事者の口から苦情が出ないの理由に、何となく「うまくいっている」と勘違いし、話し合いの場を持たないまま時間が過ぎてしまうということです。

実は、こういった放置した時間が長く続くと、就労者にとっては「話を聞いてくれない」環境となり、企業への不信に繋がってしますケースに発展することもあります。

就労者と支援者の潤滑なコミュニケーションを常に行っていくには、基本的に「それが必要だ」と思える当事者、支援者、企業担当者の共通認識が重要です。

私はこれを社会の共通善として、広め、障がい者雇用を広く進めたいと考えております。

5.最後に

第1回 障がい者雇用推進フォーラムを通じて、障がい者雇用を推進するために、様々なお立場の方に参加して頂き、「仲間づくり」を行い、障がい者雇用に関する啓蒙する活動や、有益なコミュニティを作りたいと思っております。

皆さん、障がい者雇用を促進していくためのコミュニティを、一緒に作っていきませんか?

まずはフォーラムへの参加をお待ちしています。登壇者と交流する懇親会もあるので、お気軽にどうぞ。

加藤 雅士

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電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構にて広報委員を担当する。現在、株式会社グリットの代表取締役会長としても活動を行っている。

プロフィール

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