坂戸市社会福祉協議会 後見実施機関設置・運営プロジェクト 第11回

成年後見制度

閲覧頂き、ありがとうございます。一般社団法人 全国地域生活支援機構(以下、JLSA【ジルサ】)で広報委員を務め、JLSAサイトで電子福祉マガジンの編集長をしている加藤です。

JLSAでは、公益社団法人 日本財団様(東京都港区 会長 笹川陽平)からのご支援を頂き、本年(平成30年)4月より社会福祉法人 坂戸市社会福祉協議会(以下、坂戸市社協)様が法人後見を受任できる体制づくりと後見実施機関の設置・運営に向けたご支援を開始しております。

今回のプロジェクトが、各自治体・地域で行われる後見の取組みにお役に立てればと思い、本プロジェクトの内容をアップしていきます。是非、ご参考頂ければと思います。

今回は、6月26日(13:30~15:40)に行ったミーティングの実施内容をお伝えします。

では、今回の記事の内容です。
1.個別相談の追加希望事案
2.個別相談の振り返り
3.ニーズ調査の中間報告
4.ケース会議の在り方
5.受任計画
7.その他・スケジュール調整

参加メンバー
坂戸市社協様:谷津様、土井丸様、関口様、三浦様
JLSA:金原、尾川、宮崎、園部

会議の内容は以下の通りです。ご参考ください。
まずは、本日のタスクを確認。

1.個別相談の追加希望事案
  土井丸主査から、個別相談の追加希望事案について報告がありました(新たにヒアリングシート提出)。サ高住での金銭管理に不安を持つ方の案件で、帯同は、土井丸主査が対応する予定となりました。

2.個別相談の振り返り
ここまで6件の個別相談を実施。土井丸主査より振り返りを報告して頂きました。

「個別相談を行った本人は、成年後見の利用には前向きな印象。意思疎通はできているケースが多い。すぐに財産管理の対応が必要な場合には、直ちにあんサポ(あんしんサポート)につなぐ。通帳管理などは、ケアマネ(ケアマネージャー)に頼むという人が多く、ケアマネの権限を越えるような依頼が発生した場合には、すかさず成年後見の説明をすると、すんなり聞いてくれるような印象を受けた。」

金原代表からも「成年後見人は、施設入居の手続きができないと説明しているケアマネもいる。引き続き、成年後見の継続的な普及啓発が必要と感じました。」とのコメントも。

関口様からは、生前よりも死後のことに不安・関心が高いとの意見がありました。

「頼れる人がいることがわかったら、本当に安心したような顔をされた人がいた。ただし、そのためには、普段の信頼関係を構築する担当者の存在が大きい」ということも合わせて指摘されました。「ケアマネの方は、まじめな人ほど、自分一人で抱え込んでいしまっている傾向が強い」とのこと。

本人に肩の荷を下ろしてもらう前に、ケアマネ様に肩の荷を下ろしてもらうことが肝要であると感じました。

3.ニーズ調査の中間報告
ニーズ調査のまとめに向けた中途経過の報告を行いました。

回収シートからうかがえる後見ニーズの類型状況を説明しました。40件の回収シートについて、後見を申し立てるとすれば、どのような類型になるのか、また困難事案や緊急性について、選別した結果を報告しました。

後見類型は、意外に少なく、むしろ保佐・補助が多い印象です。コミュニケーションがとりづらい事案、家族にも支援が必要な事案等は、困難事案としました。

来週には、報告書のβ版を完成させ、いったん区切りをつける予定であることを報告しました。

4.ケース会議の在り方
現状の地域包括との会議の状況認識について相互確認を行いました。

現状は、地域包括がイニシアチブをとっている。困難ケースについての悩みを吐き出すまではできている。社協においては、あんサポしか武器がなく、権利擁護の観点から具体的な解決につながっていないことが多いと感じていると意見が出ました。

要介護の場合には、居宅のケアマネも参加しており、行政の出席がみられることもある。参加人数は、20名くらいとのことです。

宮崎顧問からは、以前この会議に参加させていただいたときの印象では、誰が意思決定をするのか明確でない部分もあるように感じられた。本人不在の中、周囲がどれだけご本人の立場にたって考えられるかが重要である旨の発言をしました。

資料の通り、現状を踏まえた当面の姿・将来的な姿について説明を行いました。当面は、事案によっては、居宅のケアマネ、市の担当者にも参加を促し、月に1回のペースで会議を開催していくこととしました。

土井丸主査より、5/14に個別相談を行った先からは、今後の進め方について問い合わせが来ていることがわかりました。今後、どういうタイミング・形で支援につなげていくかフォローしながら、早いうちにケース会議につなげていく必要があるとの発言がありました。

次に、宮崎顧問からも、個別相談を行った先から順にケース会議に上げていくのがよいこと、事案の担当でないケアマネにも参加してもらうことで、ケアマネの訓練にもつながること、ケース会議の流れにも慣れてもらうこと等が大切であるとの発言がなされました。

金原代表からは、今後のキーワードは、意思決定支援・支援付き意思決定であることを強調して説明を行いました。

今までは、困難事例とみれば、医師に診断書を作成してもらい、後見人をつけて施設に入所させて済ませていたが、それでは本人の気持ちが少しも反映されていない。
今後は、後見支援プランをしっかり立てることが必要で、家裁も、「今後どのような支援を行っていくのか」必ず聞かれるとの意見が出されました。

さらに、受任件数が増えてくると、効率的・効果的な情報共有が必要となる。そこで、SOAP記録の仕組みを活用することが有効である。S:サブジェクトは、本人の発言であり、意思決定支援の第一歩となること。特にA:アセスメント、さらにはP:プランを明確にしていくことが不可欠であるとの説明を行いました。

上記のような討議を踏まえ、8月からケース会議を前倒しで試行していくことを確認しました。会議で使用するワークシートについては、先般fixした後見相談シートを少し手直しして活用できるよう準備することになりました。

5.受任計画
主に、受任件数の考え方について討議を行いました。

受任件数が20名~30名に達すると、専任担当者1名では相当大変になることが考えられるとの意見が出ました。

宮崎顧問からは、開始当初は、どうしても人材・予算が不足する。社協が、主体的に後見の受任を進め、坂戸市内の後見業務をしっかりリードしていけることを説明し、予算措置の希望を出していくことが肝要であるとの発言を行いました。

谷津局長からは、市長・副市長にもかけあい、坂戸市に対して、今後、人材・予算に関して、社協が後見の受任を進め、坂戸市内の後見業務をしっかりリードしていけることを説明すること。プラスして、予算確保について坂戸市と交渉を行っていくことが肝要との発言がありました。そのため、8月に坂戸市への活動報告も行うことになりました。
坂戸市への活動報告は、8/28に行うことを確認しました。

また、寄付・遺贈に関しては、金原代表から、神戸の市民後見NPOでは、受任者に、後見人に遺贈するという公正証書遺言を書いてもらったが、その後の自筆遺言が出てきたことから、トラブルが発生しているとの情報提供がありました。法律面からだけでなく、倫理面からの検討も必要であるとの説明がなされました。

6.個別相談事案
ヒアリングシートの提出はなかったが、三浦主事が担当しているあんサポ利用者の後見申立について相談を行いました。

本人はまだ元気で、勝手に高額の契約を行ったりしてしまうことから、財産管理が喫緊の課題であるものの、すでに後見相当との医師の診断書が出ており、あんサポでは契約は無理だとの県社協の見解です。

また、司法書士の先生にもお願いしてみたが、やはり個別に財産管理契約を締結することは難しいとのこと。市長申立ては現在進めているが、担当者から返事が来ていないとのことでした。

金原代表より、「後見を利用したいから申し立てたい」と発言できるのであれば、本人申立可能と回答、本人申立で進めていくことを確認しました。6/28の評議委員会の承認を経て、7月中旬には定款変更が完了する予定で、定款変更の確認を待って、すぐに申立手続きに進めるよう、準備を行うこととなりました。

最後に、坂戸市への報告、家裁への説明、ケース会議の開催についてのスケジュール調整も合わせて行いました。

7.その他・スケジュール調整
前回の打ち合わせの通り、6月までの3か月間の活動状況の報告を行うとともに、受任を行っていく上での人員・予算措置等について、坂戸市の理解を得るため、坂戸市への状況報告(定例会議への参加もあり)は、8/28で日程調整をいただくことにしました。

また、後見申立・法人後見受任に向けた具体的な事案が出てきたこともあり、7月中にさいたま家裁川越支部を訪問し、状況説明等を行うことを決めました。7/17または7/24のどちらかで交渉をいただくことにしました。

9月からいきなり公式のケース会議を始めるよりも、8月中にプレ会議の形で、ケース会議を試行することとすることにしました(8/28開催予定)。

次回の日程・議題等
次回は、7月3日13時半から、福祉センターにて定例を行う。ニーズ調査の報告書β版の確認、会議体の設置運営体制の整理検討、家裁訪問時資料準備、ケース会議開催に向けた準備等を討議予定です。

以上

皆さんからのご意見・ご質問も合わせてお待ちしております!
今号は以上となります。

プロジェクトキックオフをご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/interview/sakado-hkokenpj1/

第1回のミーティング(プロジェクト概要とニーズ調査)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/interview/skd-hkoken1/

第2回のミーティング(ニーズ調査説明会への準備)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken2/

第3回のミーティング(ニーズ調査説明会の最終確認と体制整備)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken3/

第4回のミーティング(ニーズ調査説明会の実施と振り返りミーティング)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken4/

第5回のミーティング(ヒアリングシートの回答内容確認と体制整備と規程の方向性の確認)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken5/

第6回のミーティング(ヒアリングシートの回答内容確認と体制整備と規程づくり)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken6/

第7回のミーティング(ヒアリングシートの回答内容確認と個別相談の状況、体制整備と規程づくり)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken7/

第8回のミーティング(ヒアリングシートの回収状況と個別相談先の対応、受任体制の整備、事業収支計画書の策定)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken8/

第9回のミーティング(ヒアリングシートの集計分析結果、ニーズ調査報告書、ケアマネージャー様向け普及啓発、事業計画の策定等)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken9/

第10回のミーティング(品川区社会福祉協議会様のケース会議の振り返り、ケース会議にあげる事案、後見事業の運営資金等)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken10/

第12回のミーティング(成年後見制度利用促進専門家会議の状況報告、ニーズ調査報告書、個別相談の状況報告、死後事務委任サービス、ケース会議の在り方等)をご覧になりたい方はこちらから
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkoken12/

加藤 雅士

50,436 views

電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構にて広報委員を担当する。現在、株式会社グリットの代表取締役会長としても活動を行っている。

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。