坂戸市社会福祉協議会 後見実施機関運営プロジェクト 第13回

成年後見制度

閲覧頂き、ありがとうございます。一般社団法人 全国地域生活支援機構(以下、JLSA【ジルサ】)広報委員の加藤です。JLSAでは、2018年4月より、坂戸市社会福祉協議会様が後見実施機関設立に向けたご支援を開始し、その後、法人後見を受任できる後見実施機関設立に向けた支援を行い、実際に法人後見を受任することになりました。

2019年4月からは、法人後見受任後の運用支援を開始しております。
今回のプロジェクトの内容が、各自治体・地域で行われる後見の取組みにお役に立てればと思い、本プロジェクトの内容をアップしていく予定です。是非、ご参考頂ければと思います。

ただし、プロジェクトの内容において、被後見人の方の個人情報に関することなど、機微な情報に関しては、公開は控えることとなります。あらかじめ、ご了承ください。

法人後見受任後の運用サポート第13回は、2020年1月7日に行った定例ミーティングの内容をお伝えします。

1. 日時・場所
2020年1月7日(火) 13時30分~15時20分
坂戸市福祉センター

2. 出席者
坂戸市社会福祉協議会:土井丸主査、三浦主事、窪田主事補
JLSA:金原、尾川(文責)

3. 発言要旨と討議結果(肩書・敬称略)
1) 受任事案・候補事案について
2) 市民後見フォーラムについて
3) 法人後見マニュアルについて
4) その他

1) 受任事案・候補事案について

個別事案は、秘匿性が高いため、個別内容は伏せ、共有できる情報や対応状況をお知らせします。
 
【対応1】報酬付与申立について

⇒報酬付与申立の際は、後見事務の手続き等に関するエビデンスがないと、付加報酬の認定が難しい旨の情報提供を行いました。最高裁からは、身上保護面での報酬認定について改善を図っていくと発表されていますが、明確な評価基準を設置することができない様子で、かつ具体的な金額の決定は、裁判官の裁量という運用方針が続くことを考えると、現状からすぐに変わることは期待できないと思われます。なお、これまでの知見によれば、不動産売却や保険金請求等では、利益に対する1%程度が報酬として計上されている模様です。
なお、報酬については、裁判所から提示された金額全額をすぐに収受する必要はなく、減額も可能であることや、士業の中には、請求権(時効にかからない)として計上し、後見終了時に残額を回収するケースもあるとの情報提供を行いました。

【対応2】家族に活動報告を見せてもよいか

⇒家族と本人との関係によるだろうというアドバイスを行いました。その家族が申立人であるとか、本人との関係が良好であるような場合には、見せても問題ないと考えられますが、そうでない場合には、守秘義務を盾に見せないようにするなどの方法が考えられます。

【対応3】夫婦仲が悪く、別の施設に移る際の対応方針

 ⇒施設が別になっても、時々は面談の機会を設けるのが良いのではとアドバイスを行いました。

【対応4】入居施設とのトラブルが続いているケース

⇒市の見立てでは、まずは医療保護入院で3カ月程度様子を見るのはどうかと話が来ている。確かに親族の同意をもらって入院させられるが、その手続きは誰がするのか、仮に入院が6ヶ月に伸びた場合、生活保護打ち切りとなるので、入院後の様々な手続き等について、後見が必要と思われるなどの懸念点をお伝えしました。本人申立を想定した上で、社協から市と相談したうえで、今後対応方針を決定することとしました。

2)市民後見フォーラムについて

三浦様より、現状の状況について報告がありました。参加予定者は約80名のため、檀上は使用せず、平面に椅子を並べる予定とのことです。アンケート用紙は、今週中に準備することにしました。
社協報告の資料については、尾川から内容についておさらいし、誤字脱字の確認の他、出典の明記の要否、後見の利用人数の明記、法人後見の意義・メリデメの追記など意見交換を行いました。

3)法人後見マニュアルについて

整備中の法人後見マニュアルについて、読み合わせを行い、金原理事より補足で以下のようなアドバイスを行いました。
①初回報告時の財産目録作成(p36):期日に間に合わない場合には、「調査中」と明記する。

⇒エビデンスの再発行などが間に合わず、コピーを添付できないなどの事情が起こりうるため。

②居住用不動産の処分(p42):家庭裁判所の許可は「事前に」必要である旨を明記する。

⇒いきなり処分の許可の申請手続きをするのではなく、事前に連絡票を送付するのがよい。連絡票には、売却しなければならない理由を記載し、今後の住まいはどうなるのかについても記載すること。
また、売却金額については必ず相見積もりを取ることや、契約文書には、家庭裁判所の許可という停止条件付の条項を盛り込むこと。あとは捺印するだけの状態になった段階で、家庭裁判所に申立てを行うという段取りにすること。家裁によっては、買主の身分証明など、あれこれ指示が出るケースが少なくないので、その都度きちんと対応すること。
売却等の処分を行った場合には、その結果について報告書を提出する。書面は、家裁から送付される(ひな型はない)。提出期限はないが、速やかに提出すべし。敷金返却がある場合などは、金額も明記する必要がある。
また、家を明け渡す場合の家財道具の処分については、見積金額等を明記すること。当該処分に関する相見積もりの結果を要求される場合もある。

③住民票異動(p43):保佐・補助の場合、代理権目録に文言が明記されていないと、住民票変更手続きの際、役場から拒否されるおそれがある。

⇒代理権目録には、通常バスケット条項を用意するが、役場によっては杓子定規なことをいう担当者がいるため、明確な条項を入れておく方が無難。

④医療行為に関する同意(p48):身体抑制についての同意書を求められるが、一言、「必要最小限にしてほしい」といった文言を記載の上、署名捺印する。

⇒気休めに過ぎないが、本人の権利擁護に配慮する。なお、インフルエンザの予防注射については、本人が希望すれば当然のこと、意向がわからない場合には、これまで本人が注射をしてきたかどうかなどから判断する。

⑤医療保護入院への同意(p49):精神保健福祉手帳は、2年間の有効期限があるため、期日管理に留意する。

⇒手帳の保持は、確定申告など費用負担の軽減につながるケースもあるので、よく注意すること。

⑥成年後見登記(p69):変更登記を行った後は、家庭裁判所に遅滞なく報告する。

⇒事案の数だけ通数が必要となるので、留意すること。

4)その他

2~3月は、受任事案等のフォローの他、マニュアルの整備と活動のまとめ・報告書の内容等についての討議を進めることとしました。
来年度は、社協内部の体制固めも必要とのことで、普及啓発を始め、後見支援員の活用などによる担い手のリソース確保などを図っていく予定とのことです。

4. 次回の日程・議題等

3月までの定例の日程は、以下の通りです。
2月:18日(火)、10時~。
3月:10日(火)、10時、24日(火)13:30~、31日(火)13:30~。

第13回は以上となります。

<2019年度の坂戸市社会福祉協議会 後見実施機関運営プロジェクトのバックナンバー>

第1回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp1/
第2回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp2/
第3回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp3/
第4回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp4/
第5回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp5/
第6回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp6/
第7・8回の合併号はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp7-8/
第9回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp9/
第10・12回の合併号はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp10-11/
第12回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp12/
第14回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp14/

なお、坂戸市社協様が法人後見を受任するまでのプロジェクト内容(全36回分)も公開しております。
バックナンバーは、下記のサイトからご覧頂けます。
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkokenall/

被後見人の方を日常生活をお守りするために

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加藤 雅士

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電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構 代表理事として広報を担当する。現在、株式会社目標管理トレーニングの代表取締役としても活動を行っ...

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