坂戸市社会福祉協議会 後見実施機関運営プロジェクト 第6回

成年後見制度

閲覧頂き、ありがとうございます。一般社団法人 全国地域生活支援機構(以下、JLSA【ジルサ】)広報委員の加藤です。JLSAでは、2018年4月より、坂戸市社会福祉協議会様が後見実施機関設立に向けたご支援を開始し、その後、法人後見を受任できる後見実施機関設立に向けた支援を行い、実際に法人後見を受任することになりました。

2019年4月からは、法人後見受任後の運用支援を開始しております。
今回のプロジェクトの内容が、各自治体・地域で行われる後見の取組みにお役に立てればと思い、本プロジェクトの内容をアップしていく予定です。是非、ご参考頂ければと思います。

ただし、プロジェクトの内容において、被後見人の方の個人情報に関することなど、機微な情報に関しては、公開は控えることとなります。あらかじめ、ご了承ください。

法人後見受任後の運用サポート第6回は、2019年8月27日に行った定例ミーティングの内容をお伝えします。

以下、ご確認ください。

1. 日時・場所
2019年8月27日(火) 13時30分~15時00分
坂戸市社会福祉センター

2. 出席者
坂戸市社会福祉協議会:土井丸様、三浦様、窪田様
JLSA:金原、尾川、園部

3. 議案
1)管理中の事案について
2)市民後見フォーラムについて
3)業務マニュアルについて


1)管理中の事案について

1号事案から3号事案についての報告をもらった。
 現在、坂戸市社協様の近況の報告を受けた。
 
最近、あんサポの申し込み、特に生活保護受給者からの申し込みが増加しているとのこと。日常生活自立支援事業では、小口の金銭管理まではできず、後見への誘導が望まれるとの報告がありました。

金原からは、昨今、ケアマネによるキャッシュカードを使った現金引き出しはよくないという風潮になってきている旨が報告された(さいたま市では、勝手に消費者金融への支払いを行ってしまい、時効の援用ができなくなってしまったケースが発生した事例を報告した)。

合わせて、医療・介護関係者による金銭管理の結果トラブルになる事例が発生し、行政も憂慮しており、指導が厳しくなってきているとの情報提供を行った。

事例 京都府の介護事業所で、印鑑をすべて預かって、捺印まで行っていた。それが契機で、本人の署名捺印を省略して、施設入所者のために免除になるはずのNHKの受信料を取られていたケース。

最近、東京家裁等では、定期報告時に、通帳のコピーの支出金額の横に、明細を書くよう指示されていることが報告された。

2)市民後見フォーラムについて

日時場所は、11/16、にっさいの地域活動センターで確定した。

今年度も市民後見人養成講座受講生向けのフォローアップ研修を予定している(9月~10月)。金原との日程は後日調整することとした。

なお、講座に先立ち、後見支援員の仕事の重責に不安を覚える受講生が多いとの報告があり、リラックスして参加してもらえるようにしたいとの意向が坂戸市社協様から要請がありました。

JLSAからは、後見支援員という立場で後見事務をすることだけが求められるのではなく、ミニセミナーの開催など、普及啓発や後見ニーズの発見・相談などに取組んでいただくことをアピールしてはどうかとの提案を行いました。

3)業務マニュアルについて

金原より、医療同意・差額ベッド代に関し、以下の情報提供を行いました。業務マニュアルの改訂作業に織り込みこととしました。

① 医療同意

 金原より、別紙に沿って説明あり。医療行為については、3要件が求められているが、本人同意ができないときでも、残りの2つの要件が充当される限り、基本的に医師による治療がなされるべき。最終的には、倫理委員会で判断してもらう。基本的に、後見人は、救命・延命の方向で医師に伝える。

そのためにも、本人の意思表示が可能な間に、希望・意向を聞き取りしておく、ACPの実践が必要である旨伝えた。できれば、既往歴や服薬歴も同様に情報収集しておく。なお、医療行為には検査も含まれるが、予防注射については、過去の実績等から判断する。

② 差額ベッド代

 金原より、差額ベッド代への書面同意について注意喚起がありました。差額ベッド代が発生するのは、治療上必要がある場合に限り、一般病床が塞がっているなど、病院側の都合で差額ベッドが発生する場合は、その支払いは必要ない(療養担当規則参照)。

ただし、入院書類に同意書がセットされていることがあり、退院時に病院とトラブルになることがある。後見人としては、善管注意義務違反を問われる可能性があることから、十分留意する(弁護士後見人の事案で実例あり)。
 
次に、別冊の業務マニュアルについて、読み合わせを行い、以下のような点を修正することが決まった。読み合わせは5ページまで終了。次回は、6ページ以降から開始。

 マニュアル上は2名で相談対応することにしているが、1名で相談を受けることも多く、人数要件は削除することとした。

 現在、相談票・ヒアリングシート・相談シート・運営委員会シートの4種類あるが、ヒアリングシートはもともとニーズ調査目的で作成したものであり、相談シートと重複も多いため、融合するように改訂することとした。

本人情報シートは、それ単体で利用されることが想定されるため、無理に融合させないものの、一部相談シートにも融合できないか検討することとした。

 ケース会議は、家族の同意を示した場合、本人の同意が得られない場合も含むよう修正することとした。

次回の日程・議題等

次回定例は、9/24の13時半から坂戸市社会福祉センターで行うこととしました。

第6回は以上となります。

<2019年度の坂戸市社会福祉協議会 後見実施機関運営プロジェクトのバックナンバー>

第1回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp1/
第2回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp2/
第3回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp3/
第4回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp4/
第5回はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp5/
第7・8回合併号はこちらこから https://jlsa-net.jp/sks/skd-unp7-8/

なお、坂戸市社協様が法人後見を受任するまでのプロジェクト内容(全36回分)も公開しております。
バックナンバーは、下記のサイトからご覧頂けます。
https://jlsa-net.jp/sks/skd-hkokenall/



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加藤 雅士

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電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構 代表理事として広報を担当する。現在、株式会社目標管理トレーニングの代表取締役としても活動を行っ...

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