認知症とは? 認知症の種類や症状

高齢者・認知症

はじめに
高齢社会の日本で、認知症は非常に身近な病気です。非常に多くの方が患っているだけでなく、誰にでも発症しうる病気でもあります。ここではそんな認知症について、その症状などを中心に基本的なところをまとめています。

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1. こんな症状が見られたら・・・認知症の初期症状

同じことを何度も言う、同じことを何度も尋ねる、以前興味があったことへの関心をなくす、物忘れが激しい、家に帰れなくなる・・・

これらの症状が表れた場合、認知症の可能性があります。ただし、これらの症状は年を重ねれば誰にでもも起こる可能性がある症状。「もしかしたら」と思うようなことがあったら、早めに専門医に相談することをおすすめします。

参考:
政府広報オンライン ホームページ
暮らしに役立つ情報
https://www.gov-online.go.jp/useful/

2. 認知症とは?
(1) 認知症とは?

認知症とは、年齢を重ねることに伴う「病気」の一つです。生まれた後、いったん正常に発達した脳の細胞や神経機能が、さまざまな原因により、死んでしまったり、働きが悪くなったりすることで、「記憶・判断力の障害などが起こることで、社会生活や対人関係に支障が出ている状態(およそ6か月以上継続)」を言います。

つまり、後天的な原因により生じる知能の障害であり、先天的な原因で起きる知的障害(精神遅滞)とは異なるものとして区別されています。年齢を重ねることに伴い、誰もが思い出したいことがすぐに思い出せなかったり、新しいことを覚えるのが難しくなったりしますが、「認知症」はこのような「加齢によるもの忘れ」とは、「病気である」という点でも異なります。ただ、加齢に伴い発症する可能性が高まるという意味で、誰もが発症する可能性がある病気である、と言うこともできます。

(2) 認知症の主な症状 ~ 認知症と年齢を重ねることに伴う物忘れとの違い

「図-認知症の主な症状 ~中核症状」

 認知症は、「病気である」という点で、加齢に伴う物忘れと異なるため、実際に表れる症状にも異なる特徴が見られます。認知症に関する主な症状(中核症状)として、以下のような症状があります。

① 記憶障害

自分が体験した過去の出来事に関する記憶が抜け落ちてしまう障害のことです。認知症の場合、最近のことから忘れていくという特徴があります。

② 理解・判断力障害

日常生活の些細なことでも判断することができなくなる障害です。料理を作るときどの食材を使えばいいかといった、日常生活の些細なことでも判断できなくなるという特徴があります。

③ 実行機能障害

ある目標に向かって、計画を立てて順序よく物事をおこなうことができなくなる障害です。計画的に買い物ができなくなったり、家電製品の使い方がわからなくなったりするというような特徴があります。

④ 見当識障害

時間・場所・人物や周囲の状況を正しく認識できなくなる障害です。今日の日付や曜日、今自分がいる場所や、家族も含めた他者と自分との関係などがわからなくなるというような特徴があります。

以上のような中核症状を中心に、認知症と加齢に伴う物忘れとを比較すると、以下のような違いが見られます。

⑤ 行動・心理症状

「図-認知症の主な症状 ~行動・心理症状」

 また、中核症状以外に、行動面・心理面で次のような症状が見られるようになります。ただし、これらの症状のすべてが表れるというわけではありません。

妄想:物を盗まれたなど、事実でないことを思い込むなど
幻覚:見えないものが見える、聞こえないものが聞こえるなど
せん妄:落ち着きなく家の中をうろうろする、独り言をつぶやくなど
徘徊:外に出て行き戻れなくなる、自分がどこにいるのかわからなくなるなど
抑うつ:気分の落ち込み、無気力になるなど
人格変化:性格が変わる、たとえば穏やかだった人が短気になるなど
暴力行為:自分の気持ちをうまく伝えられない、感情をコントロールできずに暴力をふるうなど
不潔行為:入浴を嫌がる・風呂に入らない、排泄物をもてあそぶなど

(3) 認知症の発症時期

認知症は、年齢を重ねれば重ねるほど発症する可能性が高くなると言われています。その一方で、若年性認知症と呼ばれる認知症の存在も無視できません。

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参考:
厚労省 ホームページ
認知症対策
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html
厚労省 みんなのメンタルヘルス ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/
若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0319-2.html

3. 認知症の種類
(1) 認知症の種類

「図-認知症の種類とその割合」

認知症にはさまざまな種類のものがあります。このうち、「三大認知症」として、以下の3つのタイプの認知症があげられます。

① アルツハイマー型認知症
② 脳血管性認知症
③ レビー小体型認知症

「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(平成24年度総括・分担研究報告書 : 厚生労働科学研究費補助金認知症対策総合研究事業)によれば、アルツハイマー型が最も多く7割弱、脳血管性認知症が2割、レビー小体型認知症が5%程度と報告されています。他にも、この3つのタイプの認知症で85%を占めるといった研究結果もあるようです。
また、女性の場合はアルツハイマー型認知症が、男性の場合は脳血管性認知症が多いとされています。

(2) 治るタイプの認知症も

いわゆる「三大認知症」以外には、治療により治るとされている認知症もあります。
正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう)は、脳脊髄液(のうせきずいえき)が脳室に過剰にたまり、脳を圧迫することによって引き起こされる認知症です。慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)は、頭をぶつけたりしたときに頭蓋骨と脳の間に血の固まりができ、それが脳を圧迫することによって引き起こされます。また、うつ病の仮性認知症、薬物惹起性の認知症様状態も、「治る認知症」として有名です。さらに、認知症の原因が、脳腫瘍・甲状腺機能低下症・栄養障害・薬物やアルコールに関連するものなどの場合も、「治る認知症」として位置づけられています。「治る認知症もある」ということが、専門医による早めの診察を受けることをおすすめする理由でもあります。

(3) 認知症の原因

 多くの認知症性疾患は、その原因は不明とされています。一方で、以下のように原因がある程度特定されているものや研究が進んでいる疾患もあります。
脳血管性認知症は、原因が特定されている場合の多い認知症です。脳血管性認知症のうち、日本で最も多いタイプには広い範囲での脳梗塞があります。この場合、脳の深い部位で神経の連絡機能が断たれることで認知症症状が出現することがわかっています。脳の表面付近で梗塞が起きた場合、その範囲が100mLを超えると認知症の発現頻度が増加します。この他にも、本能的な行動や記憶に関与する「海馬」、あらゆる感覚の通り道にあたる「視床」、精神系の機能を支配する「尾状核」といった重要な脳の部位に梗塞を発生すると、たとえそれが極々一部であった場合でも、高次脳機能障害をきたすことがあります。  
アルツハイマー病についても深く研究はされています。アルツハイマー型認知症は、β(ベータ)アミロイドというタンパク質が脳内の組織にたまり、脳の神経細胞が死滅するために起きるという説が有力です。

(4) 認知症を患う方の数

「図-認知症を患う方の数」

認知症を患う方の人数に関する調査は多くあり、さまざまな説(推計)がされています。たとえば、「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」(平成26年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 九州大学 二宮教授)においては、2012年時点で462万人(65歳以上の人口の15%)となっており、2025年には700万人(同20%)と推計されています。

他にも、2010年時点で242万人(65歳以上の人口の15%)、2020年には325万人と推計されています。また、若年性認知症を患う方も2009年発表の厚労省の調査で、3.78万人と推計されています。
いずれにしても、高齢社会である日本では、今後も認知症を患う方が増えることが予想されており、まさに「誰でもなりうる」「身近な疾患」と言うことができるでしょう。

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参考:
厚労省 ホームページ
認知症対策
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html
厚労省 みんなのメンタルヘルス ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/
若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0319-2.html

日本脳神経学会 ホームページ
ガイドライン
http://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo.html

日本認知症学会 ホームページ
http://dementia.umin.jp/index.html

4. 認知症と診断されたら
(1) 経過

「治る」とされるもの以外、認知症は、その症状が徐々に不可逆的に進行していくとされています。たとえばアルツハイマー型認知症の場合では、次のように症状が進行していきます。

① 初期の症状

中核症状である、記憶障害、理解・判断力障害、見当識障害のうち、記憶に限定した認知障害が発生します。過去に起きたことはきちんと覚えているのに、新しいことは覚えていないという特徴があります。生活面では「言いたいことがあるのに言葉が出てこない」「やる気が出ない」といった問題が、仕事や家事では注意不足を指摘されることがそれぞれ多くなります。

② 中期の症状

他人の言うことを理解するのが難しくなってきます。そのため、会話をしてもコミュニケーションと言えるような内容が伴わなかったり、一方通行に言いたいことだけを主張したりといったことになりがちです。また、妄想・焦燥・不穏・うつなどの症状が徐々に現れてきます。さらに、生活をするうえで必要な車の運転や買い物、食事の支度などを実際にすることが難しくなります。過去の重要な出来事も覚えていないといった症状も徐々に進行していきます。

③ 後期の症状

徐々に痩せていき、立ち上がることや歩くことなど、運動機能面でも支障が出てくるようになります。運動機能は生理的な機能にも現れ、失禁などを繰り返すようになります。病気にもかかりやすくなり、そのことが結果的に死に結びついていきます。認知症を患った方の死因として、嚥下性肺炎や尿路感染に由来する敗血症などが多いと言われています。

(2) 治療など

現時点での認知症の治療薬はアルツハイマー型認知症に対するもので、また、病気の進行を緩やかにする作用を持つ薬が中心です。また、脳血管障害の治療薬は多いものの、脳血管性認知症自体を対象にするものではないと言われています。
認知症を完全に治せる薬物療法がないため、非薬物療法と組み合わせて治療効果を高めようとするアプローチが一般的です。非薬物療法とは、心理・社会的な治療アプローチのことで、認知・刺激・行動・感情の4つを対象に働きかける方法です。つまり、治療効果を高めるためには、デイケアサービスなどが不可欠だということです。また、デイケアサービスなどは、日々の介護の中心となる支援者の方々へのサポートという役割も担っているという面もあります。その意味でも、介護保険など社会的支援制度自体を知ることがサービスをより効果的なものとするために必要であると言えるのです。

(3) 認知症の予防

「図-認知症 予防のポイント」

認知症の予防において有効性が実証されているものに、食事と運動があります。

④ 食事

魚を多く摂ると、アルツハイマー型認知症の予防になるという研究結果があります。これは、魚に含まれる不飽和脂肪酸という脂質が体の健康にも認知機能にも良い効果があるからです。不飽和脂肪酸は、血栓予防・抗炎症作用・降圧作用など多くの効果があることがわかっています。また、ビタミンE・ビタミンC、βカロチンなどの抗酸化物質は、体が酸化することを抑制する効果が高いと言われています。

ただ、個々の栄養素だけに着目し、それだけを重点的に摂れば良いかと言われると、必ずしもそうではないでしょう。ひとつの理由に、認知症の対策だけをすれば良いというわけではないということがあります。また、対認知症という視点でも、「食べ物の種類や数を多くし、それらをバランスよく食べる。その際、特に外食等が増えると不足しがちな魚や野菜類を積極的に食べるようにすべき」とする意見も多く見られます。

⑤ 運動

「体を動かさないことが、認知症、特にアルツハイマー型認知症になる確率が高まる」
このような研究結果が多く報告されています。たとえば、中年期に体をよく動かすとアルツハイマー型認知症に防御的に働き、結果、アルツハイマー型認知症になることを予防するというもの。他にも、体を動かさないことが、アルツハイマー型認知症の危険因子になるというものもあります。
認知症に限らず、身体を活発に動かすと、より元気に長生きできるということは、一般的にも言われていること。このことが、認知症にも当てはまるということです。運動がアルツハイマー型認知症の予防効果をもつ理由としては、脳の血流が増加するという直接的な作用が考えられています。他にも、神経成長因子への刺激作用、免疫機能に関わる作用も想定されています。

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参考:
厚労省 ホームページ
認知症対策
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html
厚労省 みんなのメンタルヘルス ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/

公益財団法人 日本看護協会 ホームページ
認知症ケアガイドブック
http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/ninchisyo/index.html

最後に

 認知症は誰でもなる可能性があり、また、非常に多くの方が患う病気です。そして、認知症の症状は、その方の行動レベルだけではなく、性格的な面でも状況を一変させる場合があります。また、代表的なアルツハイマー型認知症などは、患ってしまうと、その進行をある程度緩やかにすることは可能だとしても治ることがないのが現状。このことが、予防に注目が集まる理由にもなっているということです。なお、この記事に関連するおススメのサイトは下記の通りとなります。参考までご確認ください。

参考:
厚労省 ホームページ
認知症対策
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/ninchi/index.html
若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0319-2.html
認知症サポーターについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000089508.html
厚労省 みんなのメンタルヘルス ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/

日本脳神経学会 ホームページ
ガイドライン
http://www.neurology-jp.org/guidelinem/nintisyo.html

日本認知症学会 ホームページ
http://dementia.umin.jp/index.html

政府広報オンライン ホームページ
暮らしに役立つ情報
https://www.gov-online.go.jp/useful/

公益財団法人 日本看護協会 ホームページ
認知症ケアガイドブック
http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/ninchisyo/index.html

金森 保智

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全国地域生活支援機構が発行する電子福祉マガジンの記者として活動。 知的読書サロンを運営。https://chitekidokusalo.jimdo.com/

プロフィール

加藤 雅士

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電子福祉マガジンの編集長。一般社団法人 全国地域生活支援機構にて広報委員を担当する。現在、株式会社グリットの代表取締役会長としても活動を行っている。

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